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-労り- ページ14

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晩御飯を作り終え、ツイッターを開く。

タイムラインの一番上にあるセンラさんのツイートには、珍しく弱音が吐かれていた。

そこにはセンラさんを心から心配する、センラーの子達からのたくさんのリプ。

私はあまりファンの子に嫉妬することは無いため、気分を害することは無い。

むしろ私の気持ちを代弁してくれて、ありがたいとさえ思ってしまう。


お風呂から出ても、センラさんはまだ帰っていない。


もう、結構遅い時間だけどなぁ…


さっきのツイートもあって、心配になってくる。



「ただいま〜…」


『お帰りなさい!』


「え!?A、起きてたん!?しかも洗濯までしてあるやん…!」



いつもは先に寝ているのに今日は起きていたり、センラさん担当の家事まで済ませていたり。

いつもと違う私に、センラさんは驚くばかりだ。

すると、急に真面目な表情になった。



「A、俺は大丈夫やで」


『え…?』



いきなり何を言い出すのかと、今度は私が驚く。

センラさんは座って、私と目線を合わせた。



「Aは、俺が最近無理しているから、頑張ってくれたんやろ?」


『はい…』


「俺も、無理しすぎてるの分かってる。でも、今は無理する時やねん」


『は…い……』



これではセンラさんに迷惑をかけているも同然だ。

自分が情けなくなってくる。



「…でもな、やっぱこれ、疲れるわ」


『は、はい…?』


「やから、…充電」



そう言って、センラさんは私に抱きついてきた。


久しぶりの、センラさんの温もり。

久しぶりの、センラさんの匂い。

全てが一層、愛しく感じた。



「俺な、Aの作ったご飯食べるのも、Aと一緒に寝るのも、すごく幸せに思うんよ」


『はい…』


「もちろん、もっといろんな事したいと思うよ」



センラさんの吐息が耳にかかって、変に意識してしまう。



「……やから、今は、俺を支えて欲しい」



センラさんに頼られたのが嬉しくて、抱き締める力を強くする。



『……分かりました』


「ん、ありがとな。…じゃ、風呂入るわ」



照れたのか、そそくさと行ってしまうセンラさん。



浮かれて、センラさんのためなら全力でベッドで待機します、なんて馬鹿なことを考えていた。




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-甘い-→←-夜桜-



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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年9月17日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» 良かったです…!リクエスト、いつでも大丈夫ですよ!ありがとうございます…! (2019年7月17日 18時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - 最高でした、、、!!またリクエストしてもよろしいでしょうか?? (2019年7月17日 17時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» コメント、リクエストありがとうございます。嬉しいかぎりです!是非とも書かせて頂きます! (2019年7月1日 12時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - リクエストしても大丈夫でしょうか??センラさんが惚れたところから告白したところまでをお願いします!! (2019年6月30日 22時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七つ子 | 作成日時:2019年3月25日 23時

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