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95−CM ページ45

エレベーターの中は沈黙が続いて恐ろしいほどに居心地が悪かった。

やっとドアがあいて解放される。

CM「近所なのでここで失礼します。」

きっと、こんな時間に娘の部屋にいたから連れ出されたんだ。

「チャンミンさん、ワインは飲む?」

CM「あ、まぁはい。」

「じゃぁ少し付き合ってもらえる?時間大丈夫?」


高級車に乗せられて連れてこられたのはヌナの実家だった。

門を入ってからどれくらい走った?

やっと建物が見えてきた。

こんな立地のいい場所にこんな敷地。

想像を超える規模だった。

「好きなワインを選んでね。」

そう言って案内されたワインセラー。

今まで見た事もないワインが1本1本大切に管理されている。

普段ならウキウキして目を輝かせるはずが素直に楽しめない。

それでも気になる1本を選んでコルクを抜いた。

「チャンミンさんは何をしている方?」

CM「東方神起というグループで歌手をしています。」

「Aとは仕事で?」

CM「はい。僕たちの歌詞を書いてくれました。」

そのあともヌナのお母さんの質問は続いた。

ヌナとはまた違った光を放つ女性だ。

「質問ばかりしてごめんなさい。離れて暮らしてるせいで知らない事が多すぎて。だけど今日は衝撃を受けたわ。」

少し困り顔で微笑まれた。

「Aに婚約者がいることはご存じ?」

CM「はい。」

その質問が最後の質問だった。

その後は俺の仕事の事、韓国の話、普通の世間話。

始めは張りつめていた空気が帰る頃には和んでいた。

「遅くまで引き留めてしまってごめんなさい。これ、持って帰って飲んでね。」

1本のワインを手渡された。

さっきワインセラーでどっちにしようか悩んでいた片割れ。
見られてたのか・・・。


「奥様が自宅に人を招くなんて珍しいんですよ。」
宿舎まで送ってくれた運転手さんが帰り間際に教えてくれた。

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作者名:るんるん | 作成日時:2018年9月25日 7時

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