94−CM ページ44
CM「どれだけかかった?」
「ん?」
CM「カレー。苦戦したでしょ?どうやったらそんなに手が切れるの?」
「あはは。包丁が言う事聞いてくれないの。」
何か所も切り傷が出来ている手をひらひらさせて、努力の証だからと大きく笑う。
誰の為に作ったんだろう?
俺が来るって分かったから急いで作ってくれたのか?
それとも誰かの為に用意していたのか?
CM「さっき玄関で入れ違いになった人は?」
「お手伝いをお願いしてるまゆさんよ。わたしの先生。味見をしにわざわざ来てくれたの。」
先生か。
味見もしてくれたおかげかおいしかった。
食べ終わったお皿を持ってキッチンへと向かった。
「あ!!!」
ビックリするほどの大声。
CM「お!!?」
どうしてヌナが叫んだのか分かった。
振り返ると大慌てのヌナ。
CM「なんでこんな事になるの?俺がやるから邪魔しないで座ってて。」
シンクには切りかけの野菜。
何に使ったのか分からないけど大量のフライパンやボール。
包丁にピーラー・・・。
散乱っていう言葉がぴったりだった。
「チャンミンが急に来るから。急いで作ったから片づける暇がなくて。」
片づけをはじめた俺を残してリビングへ戻って行った。
俺はとてつもなく幸せだ。
洗い物をしているとは思えないほど気分がいい。
リビングのヌナを確認するとテレビの前で何かを探している。
ピピピピピ。
電子音がした。
と同時にドアの開く音。
ヌナもその音に反応して玄関の方を見ていた。
「お母さん。どうしたの?こんな時間に。」
気品漂う女性だった。
Aヌナのお母さん。
俺は?
俺はどうしたらいいんだ?
「明日ソウルへ戻っちゃうでしょ?会って話したい事があったから。」
ヌナの視線が俺に向いたのと同時にヌナのお母さんの視線も俺へと向いた。
泡のついた手をいそいで拭いてリビングへ。
CM「はじめまして。お邪魔しています。シムチャンミンです。」
「はじめまして。Aの母です。チャンミンさんがカレーを?」
CM「いえ。Aさんがカレーを。僕は洗い物をしていただけです。」
ヌナのお母さんの表情が一変した。
「お母さんも食べる?」
「まさか!!今何時だと思ってるの?話はまた今度にするわ。こんな時間だし、チャンミンさんも一緒に帰りましょう。送るわ。」
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SuperJunior」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るんるん | 作成日時:2018年9月25日 7時