いつの日にか-second (ページ12)

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６２－ＹＨページ12

ＣＭ「なんでヒョンが？」

ＹＨ「う～ん。なんでかなぁ。」

俺は事務所から呼び出しをくらっていた。

いい話で無い事だけは察しが付く。

事務所の理事室へ一人でそわそわしながら向かった。

俺、何かやらかしたのかな・・・。

ドアを開けた瞬間、すべて理解した。

「はじめまして。」

ＹＨ「はじめまして。こんにちは。」

差し出された手を握り返した。

「ユノと話がしたいらしいんだ。わたしは席を外すのでゆっくりどうぞ。」

俺たちを二人きりにして理事は部屋を出て行った。

「わたしの事、ご存じなんですか？」

ＹＨ「はい。以前社長に就任されたニュースを見ましたので。」

これ以上挨拶は必要ないと判断したんだろう。

「単刀直入にお伺いしますが、Aさんとはどういったご関係ですか？」

やっぱりこの人がヌナと結婚するんだな。

そう思わざるを得なかった。

嘘をつく必要はない。

ＹＨ「大切な人です。もちろん友人としてですが。新井さんはAさんと結婚されるんですか？」

不思議な雰囲気を持った人だ。

決して嫌味にならず、程よい間の取り方、かといって八方美人でもない。

人との距離感の取り方の上手い人。

「分かりません。正直どんな人かもまだ知りません。ですが、これから少しずつお互いを知っていければと思っています。わたしは前向きに捉えていますよ。」

優しそうに笑った顔はビジネスマンの顔ではなかった。

きっといい人だろう。
ヌナを大事にしてくれそうな人だ。

「急に呼びつけて申し訳ありませんでした。Aさんに思う人がいるならわたしの出る幕はないので、確かめておきたかったんです。」

深くお辞儀をして新井さんは帰って行った。

きっと俺とのデートを何かで知ったんだろう。

警戒すべき人間は俺ではないのに。