最後ーＣＭ ページ12
Aの涙が俺の手に落ちた。
Aの気持ちが俺の手にしみこんでいくようだった。
これ以上ここにいたらAを辛くさせるだけだ。
二人きりで会うのはこれで最後になるだろう。
ＣＭ「そろそろあいつも着くだろうから俺も行くわ。」
まだ二人でいる時間を手放したくない気持ちを連れ去って病室を出た。
ＣＭ「キュヒョナ。」
待ちあいに向かう途中前から歩いてくるあいつを見つけた。
ＣＭ「今度ゆっくり飲みに行こう。もちろんお前の奢りだからな。」
ＫＨ「あぁ。」
これ以上の会話は今は必要なかった。
ＣＭ「・・・ヒョン。」
待ち合いに行くと目を腫らしているヒョンがいた。
ＬＴ「はは・・・。」
少し困ったようにヒョンが笑った。
ＣＭ「何で泣くんですか。」
ＥＨ「嬉し泣きだよ。無事で良かった。」
そうだった。
ヒョンはこういう人だった。
ＣＭ「ヒョン。さっきはありがとうございます。」
ＬＴ「別に俺は何も。」
ヒョンはそう言うけど俺には伝わった。
先に病室を出て俺とAを二人にしてくれたんだ。
俺の気持ちを知っていて。
今日が最後になるとわかっていて。
キュヒョナもAも温かい人たちの中にいる。
きっとこれから起きる大変な事態にも助けになってくれるはずだ。
ＭＨ「ヒョンには俺がついてますよ？」
俺、そんなに大丈夫じゃなさそうに見えるのかな。
ＥＨ「チャンミン、帰ろう。」
まだ泣いているヒョンに腕を組まれた。
俺の周りにも家族の様な人たちがいた。
ＣＭ「振られた者は退散しますか。」
精一杯の強がりで言ったはずなのに、目から溢れるものをこらえきれなかった。
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作者名：るんるん | 作成日時：2018年2月15日 8時
