救済3．似て非なる ページ5
「僕、ちょっと行ってくるね」
「うん。……いやちょっと待て…っていない」
慌てて振り向いたがシュウは本当に何処かに行ってしまったようだ
あまりにもナチュラルに言われすぎて反応が遅れたじゃないか。行ってくるってどこに。行く場所あったっけここ
「こーゆー時だけ速いんだよなあ」
そんな訳でお気に入りの場所にて、絶賛不貞腐れ中
せめて場所くらいは教えてほしかった
ブーツとニーハイを脱いで、川の水に足を浸す。冷たい感触と頬を撫でる涼しい風。避暑地にはピッタリだ
川、と言っても浅いもので渡ろうと思えば向こうまで行ける
とてもそんな気分じゃないが
ここは動物も滅多に来ない。理由は知らないが、だからこそ気配がバレやすい場所でもある
そう、本当に分かりやすい
「いつまでもそんな所にいないで出てきたら？」
返事は無い。ただ、風のざわめきと水の波紋だけ
「無駄だよ。君の気配はこの自然には馴染めてない。消そうと思えば思うほど、色濃く出るんだから」
肩越しに振り返り、ある一点に投げかけた
「やはり、お気づきでしたか…流石です」
落ち着いた態度に上品な声
焦るでも、動揺するでも無く、一人の少女が木々の隙間から現れた
透き通る蒼い海を連想させる色の肩までの髪。それと反する金色の目は穏やかにこちらを見つめる
私も目立つ容姿だと自覚しているが、私のは悪目立ちする方で、あちらは逆にひっそりと目立つ容姿にあたる
まるで星。目立ちたくも無いのに変に目立つ私とは真逆だ
多分、性格も正反対なのであろう
一人、そんなことを考えていると、少女が控えめに私に歩み寄る
「お隣り、よろしいですか？」
えらく丁寧な口調だ。頷くと嬉しそうに横に座った
水に手を浸しながらぽつりと呟く
「冷たい…」
「だろうね」
横を向かなくても、私の反応を伺ってるのがよくわかる
目が合うと、おずおずと口を開いた
「あの…」
「何？」
「聞かないんですか…？」
「何を」
「だから、その…えっと」
彼女の言いたいことがわからない訳じゃない。ただ、ここで私の彼女に関する興味はほとんど無かった
未だにおどおどしている彼女に目を向ける
存外、気が弱いようでさっきまでの落ち着きは微塵もない。そして、漸く口を開いた
「私が貴方の様子を見ていたこと、です」
ここまでに約6分
最初の印象は何処へやら
救済4．他人の為に願うのは→←救済2．異変、消えた少女と彼岸花
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーワード
たった一度のイレギュラー
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月奏(プロフ) - 英語が嫌い過ぎてやばい人さん» あの2人のコンビは私も好きです。面白さを分かってくれている方がいてくださって良かった…！ (2015年8月16日 17時) (
レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
英語が嫌い過ぎてやばい人 - こんにちは、始めまして！ちょっと前から読ませていただいてます！！主人公ちゃんと剣城との掛け合いが大好きです！更新頑張ってください！！ (2015年8月16日 17時) (レス) id: 2776cb0520 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - 芽濃さん» 最近、この作品に対して自信を無くしかけていたのでこのようなコメントが頂けて嬉しいです。頑張りますね！ (2015年8月4日 21時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
芽濃 - 最初から見てきました。文章力が凄いですね…Σ(゜Д゜) 面白すぎて止まりませんw頑張って下さい(*^^*) (2015年8月4日 21時) (レス) id: 75ac9f8af5 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - 優美さん» ありがとうございます！文才がまだ発展途上国なのでそう言っていただけて本当に嬉しいです！ (2015年7月30日 23時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月奏 | 作成日時：2015年7月4日 13時
