救済10．最後は投げやり ページ12
「夕飯？」
「うん。良かったらAちゃんも一緒に食べない？」
夕食を一緒に食べないか、と松風から誘いが来たのは夕方頃
なし崩し的に解散になり、私は寝泊まりとして使っている愚者の塔に戻ろうとしたところを呼び止められた
生憎私は空気をぶち壊すＫＹになりたくないので断る
「そう言うことならシュウを誘えば？」
「それが…気づいたら居なくて」
「……」
一瞬の沈黙が生まれる
あの野郎、逃げやがったな
「ほら、親睦を深める為にもなると思うの。短期間でもさ」
松風に付いてきたマネージャーの…誰だっけ？
あ、思い出した。葵さんだ
「逆に短期間だからこそ関わるべきじゃないと思うけど」
私が居たら空気悪くなるよ、と付け足すと困った顔で苦笑された
「それはお前のことをよく知らないからだと思うがな」
「それを総じて信用されて無いって言うんだよ。というか、剣城居たんだ」
「……」
うん。私が悪かったから睨むの止めよう
「……ダメ？」
松風、上目遣い反則。例え無意識でも反則
「ダメって言うか…」
それ以前に大きな問題がある
あまり言いたくないのだが仕方ない
「私、今食べられないんだよね」
「…？」
うーん。伝わらなかったか
「簡単に言うと、食欲が無いの」
「どのくらい？」
「……一生食べなくても生きていけるくらい」
「重症な気がするが」
「剣城は黙って」
もっと言うと、ここ最近はろくに食べてない。勢い的には『食欲って何だっけ？』と自問自答するほど
不思議なことに体重は減らない
なんかもう、食べ物見ただけで吐き気がする
「大丈夫なの？」
「どうもFSCの拒絶反応らしくてさ。全然身体が受け付けてくれなくて。でも私はだいじょ」
「大丈夫じゃないよね」
「はい」
葵さんの威圧に押し黙る
いやこれフェイくん情報なんだよ
とにかく食べられないことには変わりないと伝えると、松風は気を落とした
「そっか…ならしょうがないよね」
「悪いね。じゃあ、また明日」
帰り際、剣城が一言
「……無理はするなよ」
「…剣城が人の心配とか気持ち悪い」
明日は大荒れだね、と言ってやるとまた睨まれる
…早く来ないかなあ、デレ期
「剣城ー、行くよー」
「分かってる」
「まあ、そう気を悪くしないの。本当は嬉しいくせに。ツンデレ」
「黙れ！」
「私、帰るねー」
「おい！」
後ろから何か聞こえたが、きっと気のせいに違いない
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月奏(プロフ) - 英語が嫌い過ぎてやばい人さん» あの2人のコンビは私も好きです。面白さを分かってくれている方がいてくださって良かった…！ (2015年8月16日 17時) (
レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
英語が嫌い過ぎてやばい人 - こんにちは、始めまして！ちょっと前から読ませていただいてます！！主人公ちゃんと剣城との掛け合いが大好きです！更新頑張ってください！！ (2015年8月16日 17時) (レス) id: 2776cb0520 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - 芽濃さん» 最近、この作品に対して自信を無くしかけていたのでこのようなコメントが頂けて嬉しいです。頑張りますね！ (2015年8月4日 21時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
芽濃 - 最初から見てきました。文章力が凄いですね…Σ(゜Д゜) 面白すぎて止まりませんw頑張って下さい(*^^*) (2015年8月4日 21時) (レス) id: 75ac9f8af5 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - 優美さん» ありがとうございます！文才がまだ発展途上国なのでそう言っていただけて本当に嬉しいです！ (2015年7月30日 23時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月奏 | 作成日時：2015年7月4日 13時
