もういらない ページ10
管理される対象が目にみえるものに変わった途端、我に返ったように自由を主張するのは愚かだと思う
「つまりサッカーは、管理されるべきだと？」
「管理して欲しいなんて頼んでません。管理や支配なんて、檻の中の広さを狭めるだけの話でしょう？」
「ハッキリしないね」
顔付きは穏やかな紳士そのものだが、イライラしているのが見てとれる
「どうでも良いんですよ。私に害が及ぶわけでもない限り」
そう言って、ふと思った
今のこの状況なら言えるのでは、と
「だけど」
意を決して、言葉を発する
「あまりにも管理の限度と言うものが過ぎるようなら___私は反対です」
「さっきと言ってることが違うね」
「制限するものは所詮、檻にしか過ぎない。何から何まで決められたら、クーデターの一つや二つを起こされるのは目に見えてますから」
つまり、やり過ぎるのはご法度
「試合の運営、少年サッカーのバランスの立て直し___収拾のしようがなくなったサッカー界にとって管理は必要不可欠。ですが___」
言葉を切って、千宮寺さんの目を睨む
「試合の得点、決める選手…その上、逆らった学校は廃校」
「…何が言いたい」
「どう考えても必要無いし、一部は人権に違反している。貴方がやっていること全て間違ってるとは言えない。でも、偽りのサッカーを作って欲しいなんて誰も言ってない」
千宮寺さんからの視線が痛い
「初めは、こうじゃなかった…なのにどこを踏み違えたんですか」
昔は全て決められた試合なんてさせてなかった。まだ正常だった
フィフスも千宮寺さんも
「それが君の出した答えか？」
「質問に答えて」
「いや、その必要は無い」
「…聞こえてないならもう一度言います。いき過ぎた管理はいらない。貴方の支配なんかもっといらない」
千宮寺さんの目の光が鋭くなったのを肌で感じた
「飼い犬に手を噛まれるとはこのことか」
「何度でも言う。貴方のやり方はサッカーも人も壊す」
「…チャンスをあげよう。その言葉は本心か？」
「貴方が思ってる通りです」
「まるで話にならないな」
やってしまった。でも後悔はしていない
この人が心からサッカーを思っているのであれば、私は口を出さないつもりだった
だけど、話して分かった。もうこの人の心には管理することしか頭にない
いつまでも黙っているわけにはいかない
「それでこそ罪薔薇の魔女だ」
ニヤリと笑ったその人に私は気づかなかった
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月奏(プロフ) - 天晶さん» ありがとうございます！番外編、楽しみにしてください！ (2015年6月29日 17時) (
レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
天晶(プロフ) - 初コメ失礼します。とっても面白かったです！主人公の心情描写の書き方といいますか…読み応えがあって良かったです！番外編、楽しみにしています。 (2015年6月29日 17時) (レス) id: abbd78fe76 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - ありがとうございます！暫くは番外編ですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです (2015年6月29日 0時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 続きがめちゃくちゃ気になります！続編も、頑張ってください！革命編完結、おめでとうございます！そして、お疲れ様でした！！ (2015年6月29日 0時) (レス) id: 4f30a84575 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - areruさん» ありがとうございます！ (2015年6月15日 21時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月奏 | 作成日時：2015年5月24日 10時
