【番外編】それはもっと別の物【完】 ページ47
「Aのこと、どう思った？」
俺の口からそんな言葉が出たのは、松風と休憩していた時
ついさっき、どこかへ行ったAはと言うとまだ戻って来る気配は無い
チラリと横を見ると、大して深い意味など無い質問に馬鹿正直な松風は真剣に考えていた
「サッカーに興味が無いっていうか…」
葛藤したのであろう言葉はひどく頼りなく聞こえた
「まあ、基本アイツは何事にも無関心だ」
「上手く言えないけど、Aちゃんは変わってるって言うか…シードは皆サッカーが好きって気持ちを抑えてたけど、」
言葉が浮かばないのか途切れ途切れに続ける
「Aちゃんはそれさえ無い、のかな？サッカーを通して何か別の物を見てる_____気がした」
「別の物…」
確かにアイツの口からサッカーが好きだとは聞いたことが無い
むしろ、興味が無いの方が当てはまる。とは言え、そこらのシードより出来るのだから人間は不思議だ
いや、アイツが特殊なだけだ。ほぼ未確認に違いない
だが、それも違うのかもしれない
「探してるのかもな」
「…？どうしたの剣城？」
独り言のつもりが聞いていたのか、松風が顔を向ける
何でもないと言って、考えた
昔、アイツは“探し物”をしていると言っていた記憶がある
サッカーはそれを探す手がかりかもしれない
もしも、そうだとしたら_______
あの無関心で感情の見えない目は何を映しだしているのだろう
その先にアイツは何を感じて何を思うのか
ここまで考えて、俺はアイツのことを何も知らないのに気づいた
それなりに理解していたつもりでも、結局は“振り”だった
______ちゃんと見なくてはいけない
見極め無ければ分からないだろう______
「！？」
思考の海に沈んでいた時、突然頬に冷たい感触がして振り向くと、真顔でこちらを見つめるAがいた
「剣城の分際で考え事？生意気ー」
「言ってろ」
生意気なのはお前だと言う前に、視界からアイツの姿は消え、松風にドリンクを渡していた
「…やっぱり分かんねェ」
だが、別に良い
この件が終ったら知れば良いのだから______
(剣城って頭堅いよねー、そんなんで人生楽しいの？)
(お前が言うな。そして、もう少し感情を込めて言え)
(何…気持ち悪いんだけど)
(…おい)
(そんなんだから、ちびっ子に怯えられるんだよ)
(………)
(仲良いなぁ)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーワード
イレギュラー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月奏(プロフ) - 天晶さん» ありがとうございます！番外編、楽しみにしてください！ (2015年6月29日 17時) (
レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
天晶(プロフ) - 初コメ失礼します。とっても面白かったです！主人公の心情描写の書き方といいますか…読み応えがあって良かったです！番外編、楽しみにしています。 (2015年6月29日 17時) (レス) id: abbd78fe76 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - ありがとうございます！暫くは番外編ですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです (2015年6月29日 0時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 続きがめちゃくちゃ気になります！続編も、頑張ってください！革命編完結、おめでとうございます！そして、お疲れ様でした！！ (2015年6月29日 0時) (レス) id: 4f30a84575 (このIDを非表示/違反報告)
月奏(プロフ) - areruさん» ありがとうございます！ (2015年6月15日 21時) (レス) id: 1ad6dffea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月奏 | 作成日時：2015年5月24日 10時
