【H×H】誰か私を帰してください ２

56：最終試験開始 ページ8

・



｢さて、何か質問は？｣


ネテロさんがそう問いかけると、ボドロさんがスッと静かに手を挙げた。


｢組み合わせが公平ではない理由は？｣

｢うむ、当然の質問じゃな｣


きっと疑問に感じていたのはボドロさんだけではないだろう。トーナメント表を見ると試合回数が多い者もいれば少ない者もいて、平等でないのは明らかだった。


｢この取り組みは、今まで行われた試験の成績をもとに決められている。簡単に言えば、成績のいい者にチャンスが多く与えられているということ｣


えーと、私が参ったって言う回数は……え、4回？
ちょっと待て、それってチャンスが3回のキルアよりも上の評価ってことにならない！？何かのバグか！？

…と思っていたのは私だけではないようで、キルアが不満そうに前に出た。


「それって納得できないな。もっと詳しく点数のつけ方とか教えてよ｣

「ダメじゃ」

「〜〜ッなんでだよ！こいつがオレより上とかどう考えてもおかしいだろ！｣


ビシッ！と勢い良くキルアが私を指差す。いや、正論です本当に。


｢採点内容は極秘事項でな、全てを言うわけにはいかん。まあ、やり方くらいは教えてやろう。──まず審査基準、これは大きく三つ。身体能力値、精神能力値、そして印象値、これから成る｣


身体能力値は、敏捷性・柔軟性・ 耐久力・五感能力等の総合値。精神能力値は、耐久性・柔軟性・判断力・創造力等の総合値を示すのだとネテロさんは続けて話した。なるほど、見事に全部私に無いものですね


｢だが、これはあくまで参考程度。重要なのは印象値！これは前に挙げた値でははかれない"何か"！言うなればハンターの資質評価といったところか。それと諸君らの生の声とを吟味した結果こうなった。以上じゃ｣


……私の身体能力値なんて、考えるまでもなく0のはず。こんな情緒不安定なオタクの精神能力値だって高いとは到底思えない。だとすると、印象値がぶっちぎりで高いってことになるけど……え、つまり私にハンターの資質があるってことですか？そんなガバガバ評価で大丈夫か運営！？


｢戦い方も単純明快。武器OK反則なし、相手に"参った"と言わせれば勝ち！ただし、相手を死にいたらしめてしまった者は即失格！その時点で残りの者が合格、試験は終了じゃ。よいな｣


ネテロさんがそう告げると、審判の男性が中央に立ち、口を開いた。


｢それでは最終試験を開始する！第一試合、ゴン対ハンゾー！｣

57：戦意は無いんです→←55：目指せハッピーエンド

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す