54:ノックは3回以上 ページ6
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第一応接室の前まで来た。
走ってきたせいで上がった息を整えてから、ドアを静かにノックする。バイトの面接前に確認した時は確か3回で合ってたような……あれ、違うっけ!?
1人で焦っていると、ネテロさんの「入って良いぞー」という呑気な声がドア越しに聞こえてきた。それに少し安心して、失礼します!とドアを開ける。
中は和室だ。一つ机を挟んだ向こうに、ネテロさんがあぐらをかいている。うわ〜〜〜本物のネテロさんがこんなにも近くに…!!
「そう緊張せんで良いぞ。お主、いつもはもっと元気そうに騒いどるじゃろ」
『それ褒めてなくないですか!?』
私がそうツッコむと、ネテロさんはホッホッホと愉快そうに笑う。ちょ、私は笑えないんですけど
「よし、ではちょいと質問させてもらうぞ。まず、君はなぜハンターになりたいのかな?」
『帰──じゃなくて!ええと、情報収集…とか、生活のため…ですかね!?へへ!!』
あっぶね。何故かネテロさんの前だとつい本音を言ってしまいそうになる。慌てて笑って誤魔化すと、ネテロさんは「ふむ」と表情を変えずに頷いた。
「まぁお主はいつも挙動不審じゃからな。ワシは気にせんよ」
『だから私のイメージどうなってんですか』
「さて、次の質問じゃ。お主以外の9人の中で一番注目しているのは?」
『え、………全員…?』
「……では、お主以外の9人の中で今一番戦いたくないのは?」
『全員』
「何しに来たんじゃ」
『だってぇ!!!』
こちとら箱推しなんだもの仕方ないじゃないか。
というかそもそも私は戦いに来たわけじゃないしね?
この後の最終試験もどうせ開始1秒で参ったって言うことになると思うしね!?
「ほっほっほ、冗談じゃて。下がって良いぞ」
『……し、失礼します』
なんか……どっと疲れたな。
軽くお辞儀をして、ぱたんとドアを閉めた。
最終試験……本当に始まるのか。どうしよう、かなり不安だ。
ため息をつき、窓に視線をやったそのとき。
ぴこん。
携帯にメールの通知が届いた。
『…あ!?!』
画面に映っているのは、ポンズという文字だった。
私からグイグイ迫って連絡先を聞いたのに、まさか彼女から先に連絡がくるとは…!よかった、あの後無事に目を覚ましたんだ。
メールには、「あと少しなんだから、しっかりやりなさいよね」という一言があった。先生、今なら私なんでもやれそうです
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温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜!!🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……!!! (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか!?!??めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…!!😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや!!もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな!!天才かよ!!!天才だったな!すんまそんっっ!!! (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…!😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます!!!(?)カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…! (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:温故知新 | 作成日時:2024年2月1日 18時