79:ヤクザ執事、覚醒 ページ31
・
やばいやばいやばい
よりによってあのヤク…じゃなくてゴトーさんに見つかるとか聞いてないって!!!
『あ、あ〜〜、ちょっと戻るのは難しいというか…』
「何故です?」
………毒料理を食べたくないからです!とは流石に言えないよね、うん
『……その〜〜…食事が…ままならなくて(?)』
「……は?」
『ほら、ゾルディック家にいる皆さんって全員お顔がよろしいじゃないですか!!だから視界に入ってると常に緊張状態で食が進まなくて、一度抜けてきちゃったというか』
別に嘘ではないから!実際緊張はしてたし!
食欲…はまあ、普通にあったけど。鳴らそうと思えば全然今もお腹鳴らせるけど。
「……はあ、そうですか」
うわすげえ、ゴミを見る目だ。
人間ってそんなに眉間にシワ寄せられるんだね
「言いたいことは分かりませんが、分かりました。まぁ一度席を離れて少しはその脳天気な頭も冷えたのでは?案内するので早く戻りましょう」
『流しそうめんのごとく悪口が流れていった』
けど、こうしてゴトーさんを目の前にしても……やはり、戻りたくないのが本音だ。
毒を食らいたくない。いい加減外に出たい。
それもあるが、何より……
キルアに会いたい、というのが一番だった。
『……あー!あんなところに大量の食パンが!!』
「は?……おい、何もな」
『失礼します!!!』
私はくるりと方向転換し、邪魔なヒールを脱ぎ胸に抱えて走り出す。
そして、そのすぐ後だった。
「おい待てゴラァ!!!!!」
『ひええゴトーさん覚醒キタァアアア!!!』
興奮と恐怖が合わさり、完全におかしいテンションでゾルディック家の廊下を駆け抜ける。壁に飾られている高そうな絵は一瞬で通り過ぎ、優雅に鑑賞なんかはしていられなかった。
『やばいやばいやばい』
なんとか隠れながら地下に向かってはいるものの、ドレスの裾が邪魔で思うように進めない。それでもがむしゃらに逃げていると、壁にぶち当たった。
『うわっ、行き止まり…!』
まずい、こんな場所で立ち止まってたら絶対すぐに見つかる。
『……ッこうなったら一か八か!!!』
ガチャッ!
近くのドアを開け、私は部屋に飛び込んだ。
「んなっ…!?!だ、誰だお前!?」
真っ暗な部屋の中、パソコンの光に照らされていたのは───
『ミルキさん!?!??ごめんなさいちょっと匿ってくださいお願いします!!!』
「はぁあああ!?!?」
851人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜!!🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……!!! (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか!?!??めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…!!😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや!!もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな!!天才かよ!!!天才だったな!すんまそんっっ!!! (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…!😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます!!!(?)カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…! (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:温故知新 | 作成日時:2024年2月1日 18時