【H×H】誰か私を帰してください ２

70：かるとちゃんとあそぼ ページ22

・


『ねえカルトちゃん』

「何」

『イルミさん、いつ帰ってくるかな』

「知らない。お前丸2日寝てたし、兄さん仕事早いから遅いことはないと思うけど」

『そっかぁ〜…て丸2日！？』


え、そんな爆睡してたの私。
……しかもここに来るまでの移動時間を考えたら、2日どころじゃない。もっと寝てたんじゃ…


『……いやいやいや』


ま、まあ、一般人が怒涛のハンター試験を受けて、こんなフッカフカのベッドに寝かされたら、それくらい寝続けても人間おかしくないよね、うん。最近やたら眠くなるけど、たまに自分の爆睡っぷりに引いたりもしてるけど、別に大きな病気だとかそんなんじゃないよね！


………。



『カルトちゃん』

「何？さっきからうるさいんだけど……」

『一緒に遊ぼう！！というか遊んで！！！Aお姉さんの恐怖を紛らわして！！！』

「………は！？」



・



『見て見てカルトちゃん！お花〜！！』


折り紙で作った絵本に出てくるような赤い花を、じゃんっと大袈裟に見せてみる。しかし、カルトちゃんはじっとりとした目でそれを見つめた。


「あのさ」

『うん？』

「よく馬鹿って言われない？」

『ここ数日かなり言われた』

「だろうね」


はぁ…とカルトちゃんは大きくため息をつく。
やだ、これじゃどっちが年上かわからないじゃないの


『カルトちゃんは普段遊んだりしないの？』

「少なくとも、そんな脳天気に花を作ったりはしないよ。ボクだってやること多いし」

『…そ、そっかァ』


まあ、ゾルディック家ならそうなるよね。一般家庭とは何もかもが違う。確かカルトちゃんって、キキョウさんからかなり期待されてたし……

遊んでばかりだった私とは違って、その年で既にいろいろ苦労してるんだろうな。まあカルトちゃんの性格からして、そこまで大変だとは思ってないかもだけど。


『…あっそうだ！ね、このお花カルトちゃんにあげ…』

「いらない」

『ちょっとは考えてみない！？』

「だって、どうせゴミになるだけだし。……ああ、自分がいらないからボクに押し付けたの？」

『な訳あるかい！！カルトちゃん毎日頑張ってるみたいだから、ちょっとでも喜んでもらえたらな〜って思っただけだよ！』


おかしいな〜、親戚の子には折り紙で何か作ってあげるといつも大ウケするんだけどな……

どうしたら喜んでもらえるんだろ、と腕を組んで考える。
そんな私を見て、カルトちゃんは「……変な奴」と顔をふいと背けた。

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