68:ふかふかベッド ページ20
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「……んん」
なんだろ…ふかふかして心地良いなあ。
身体を包む柔らかな感触が、ここ数日の疲労をそっと癒やしてくれる。まるでホテルの高級ベッドみたいな肌触りだ。いやー、4次試験のときの野宿とは比べ物にならな……
………ん?ベッド?
私いつベッドになんて入った!??
カッと慌ててまぶたを開けると、視界に飛び込んできたのは……それはもう本当に、予想外の光景だった。
「やっと目が覚めた」
──上から私を覗き込んでいたのは、おかっぱ頭の子供だった。瞬きをする度、その長いまつ毛が影を落とす。陶器のように透き通った白い肌は、人間離れしているようにも思えた。
あれおかしいな、なんか私の知ってるあの子にしか見えないんだけど。ゾルディック家の末っ子、カルト=ゾルディッ…
『くうぇああッ!?!???』
「うるさっ!?ちょっと、暴れないでよ!」
思わず飛び起き、一気に覚醒した瞳で目の前をまじまじと見つめる。漆黒の着物を身に纏い、優雅に扇子を口元に当てるその姿は、まるで日本人形がそのまま動き出しているかのようだった。
「ボクはカルト。……お前、イルミ兄さんとどういう関係?」
そんなお人形さんは大きな瞳を鋭く細めると───目にも止まらぬ速さで、その手にある扇子を私の顎に添えた。年下の子供とは思えない目つきに、背筋がぞくりと震える。
答え次第では…………殺される
寝起きとは思えぬ緊張感に、私はごくりと唾を飲んだ。
『え、ぇ〜〜っと…ですね………』
「……」
『同じクラスで一緒にグループワークをしたことはあるけど、個人的に遊ぶほど仲が良いわけではなく、かといって死ぬほど仲が悪いわけでもない、会えば挨拶はする的な関係???』
「……………はぁ???」
ひ〜〜〜〜カルトちゃんそんな低い声出るんですかコワ!!でも正直めちゃくちゃ興奮するごめん!!!
そんな私に呆れて殺意が収まった(?)のか、カルトちゃんは私からスッと離れた。
『え、えーと……そもそもここはどこですかね?カルトちゃんの撮影会会場かなにか?』
「……お前って馬鹿ことしか思いつかないの?家に決まってるでしょ」
『は、家?』
………。
『カルトちゃんってもうひとり暮らししてるの?』
「そんな訳ないだろ!お母様たちとこの家で暮らしてるんだから」
……おいおいおいおい、つまりそれって
『ここ、ゾルディック家……ってコト!!?!?』
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温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜!!🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……!!! (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか!?!??めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…!!😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや!!もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな!!天才かよ!!!天才だったな!すんまそんっっ!!! (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…!😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます!!!(?)カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…! (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:温故知新 | 作成日時:2024年2月1日 18時