67:忘れ物には気をつけて ページ19
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『それにしても……ハンター試験ってヒソカさんやらトンパさんやら変人が多いのに、ボドロさんは良い人だったなぁ……ほんと、助かって良かった〜!』
「ボクとアイツを同列に扱うなよ♦」
『うぉぁああッ!?』
慌てて後ずさり振り返ると、そこにはヒソカさんとイルミさんが二人並んで立っていた。いやこの2人とエンカするの怖すぎるだろ。しかもヒソカさんが手に持ってるのって…
『あぁーーっ!?私の筆箱!!?』
「届けてあげようと思ってたんだけど……キミ失礼なこと言うし、ボクが貰おうかな♣」
『大変申し訳ありませんでした』
って、ヒソカさんが私の筆箱をゲットしたとしてどうするんだよ。普通に中身ペンしかないし使い道が謎すぎて逆に怖いわ
土下座の勢いで頭を下げると、ようやく返してもらえた。安堵してリュックに筆箱をしまい、よっこらせと背負い直す。
『あっそうだ、ギタラクルさん』
「ああ、それ偽名。イルミでいいよ。もう試験終わったしね」
『……じゃあ、イルミさん。腕は大丈夫ですか?』
確か、ゴンにすごい力で掴まれてなかったっけ。
「え?ああ…うん、折れてるけど。なんで?」
『??そりゃ心配だからに決まってるじゃないですか』
「…?おかしくない?キミ、ゴンの味方だよね?」
『………あ』
そ、そうだった。普通にオタクとして推しの心配をしてしまったけど、彼の怪我は自業自得なんだった。よく考えたらヒソカさんもイルミさんも悪役側じゃねえか
『そうですよ心配なんかするわけないじゃないですか!!早く治るといいですねお大事に!!!』
「ヒソカ、Aって大分頭おかしくない?」
「彼女そういうところあるから♦」
『そういうところってどういうところですか』
思わずツッコめば、イルミさんがじっと私を見つめた。彼は「…ふぅん」と声を漏らし、細い人差し指を唇に当てる。え、何か企んでる?私を殺す計画とか立ててないよね?
「そういえば、キミもイルミの家に行くんだって?」
『あ、はい。これから向かうところです』
「へぇ…なら、またボクが運んであげようか♥」
『いやそれはもう勘弁して!!?ただでさえ今日もずっと眠くて──…』
…って、あれ
本当に眠気がやばい…かも
突然重くなったまぶたを慌ててこじ開けようとするが、頭は勝手に前へと傾き出す。視界はぐらぐらと揺れ、何も見えなくなってきた。
…薄れゆく意識の中で最後に感じたのは、私の体を支える誰かの手の感触だった。
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温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜!!🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……!!! (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか!?!??めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…!!😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや!!もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな!!天才かよ!!!天才だったな!すんまそんっっ!!! (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…!😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます!!!(?)カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…! (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:温故知新 | 作成日時:2024年2月1日 18時