63：クラス会議勃発 ページ15
・
しかし、講習はスムーズには進まなかった。
クラピカとレオリオが、キルアの不合格は不当だと異議を唱えたからである。私もその気持ちはわかるので、無駄とは分かりつつも同じく異議は唱えちゃったけど。
こうして審議真っ最中のところ────ガラッとドアが開く音が聞こえた。現れたのは、ゴン。
私含む全員の視線が彼に集まり、教室は静まり返った。
ゴンはまっすぐイルミさんに向かって歩いていくと、彼の席の横で止まった。
「キルアに謝れ」
「…謝る？何を？」
「そんなこともわからないの？」
「うん」
……ゴンが心の底から怒っているのが分かる。
でも、イルミさんは……とぼけてるとかじゃなくて、本当に分からないんだろうな。
「お前に、兄貴の資格ないよ」
「…？兄弟に資格がいるのかな？」
がっ、とゴンはイルミさんの腕を掴んだ。そして彼を空中に投げたかと思えば……静かに地面に着地させた。
「友達になるのにだって資格なんかいらない！」
ゴンはギリギリと彼の手首を掴んでいる。どちらの手にも血管が浮き出ていて、相当な力が加わっていることが見て分かった。
「…それで、どうする気？」
「キルアのとこへ行く。もう謝らなくたっていいよ、案内してくれるだけでいい。キルアを連れ戻す」
「まるでキルが誘拐でもされた様な口ぶりだな。あいつは自分の足でここを出ていったんだよ」
「でも自分の意思じゃない。お前達に操られてるんだから誘拐されたも同然だ！」
緊迫した空気に息を呑み、目の前の光景をただ静かに見守る。誰もが何も言えない中、ネテロさんが沈黙を破った。
「ちょうどそのことで議論していたところじゃ、ゴン。クラピカとレオリオ、それとAから意義が唱えられてな。キルアの不合格は不当との申し立てを審議中なのじゃよ」
ネテロさんの言葉に、クラピカとレオリオはガタッと席を立った。
「キルアの様子は、自称ギタラクルとの戦闘中とその後において明らかに不自然だった。対戦の際に何らかの暗示をかけられ、あの様な行為に至ったものと考えられる」
「問題なのは、オレとボドロの対戦中に事が起きた点だ。状況を見れば、キルアがオレの合格を助けたようにも見える。ならば不合格になるのはキルアじゃなくて俺の方だろ？」
2人はそう唱えたが、どちらの言い分にも証拠が無く、根拠も乏しいとネテロさんは一刀両断してしまった。うーん、やっぱりネテロさんには勝てない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 851人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜！！🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……！！！ (4月13日 16時) (
レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか！？！？？めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…！！😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや！！もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな！！天才かよ！！！天才だったな！すんまそんっっ！！！ (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…！😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます！！！（？）カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…！ (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：温故知新 | 作成日時：2024年2月1日 18時
