60:もう恋…友達だもんね ページ12
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「でもやっぱり外に出すのは心配だからって、それとなく様子を見てくるように頼まれたんだけど……奇遇だね、まさかキルがハンターになりたいと思っていたなんて。実はオレも次の仕事の関係上、資格を取りたくてさ」
「……別に、なりたかった訳じゃないよ。ただ何となく受けてみただけさ」
キルアは警戒しながらも、兄の言葉に返事を返す。
「そうか、安心したよ。これで心置き無く忠告できる。───お前はハンターに向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」
『ねえそれ本当?殺し屋って労働基準法ちゃんと守られてる?天職かどうかは環境やプライベートの充実度も関わってくるんだからね』
「そこかよ」
思わず私が口を出すも、イルミさんは構わず続けた。
「お前は熱を持たない闇人形だ。自身は何も欲しがらず、何も望まない。そんなお前が、何を求めてハンターになると?」
「……確かに、ハンターになりたいと思ってるわけじゃない。だけど、オレにだって欲しいものくらいある」
「ないね」
「…ッある!今望んでることだってある!」
「ふーん、言ってごらん。何が望みか」
キルアは暫し黙り込むと、ぎゅっと拳を握りしめて口を開いた。
「ゴンと、Aと……友達に、なりたい」
喉の奥から絞り出すように、彼は言った。
あのイルミさんに面と向かってこんなことを言うのは……かなりの勇気がいるはず。
……でも、ゴンだけじゃなく私とも友達になりたいと思ってくれていたのは予想外で。こんな時だというのに、嬉しさも感じてしまった。
「もう…人殺しなんてうんざりだ。普通に二人と友達になって…普通に、遊びたい」
「無理だね。お前に友達なんてできっこないよ」
そう断言するイルミさんは……あまりに間違っていて。
私は思わず笑みがこぼれた。
『ふっふっふ、それは違うな』
「……何?」
『だって私とゴンはもうキルアの恋人だから!!』
「は?」
『ごめん間違えた友達』
「どんな間違え方だよ!!!」
てへ、想いが強すぎて先走り過ぎちゃったぜ。反省反省
「そうか…参ったな。あっちはもう友達のつもりなのか」
イルミさんは少し考え込むと、何かを閃いたようでピンと人差し指を立てた。
「よし、Aを殺そう」
あれおかしいな私だけ!??
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温故知新(プロフ) - 柏餅さん» わわ、いつもありがとうございます〜!!🥲💖愛されと逆ハーは永遠です……!!! (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - おじいちゃんパンチさん» 本当に一周されたんですか!?!??めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます…!!😭🙏💖コメ主さまこそ優しさの天才です🥲💖💖 (4月13日 16時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんいろんな人に好かれてるの好きすぎます😭 (4月12日 19時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
おじいちゃんパンチ - いや!!もう一周してきたけどハンター試験編は温故知新様のが1番面白いな!!天才かよ!!!天才だったな!すんまそんっっ!!! (4月11日 7時) (レス) id: 8e40b31507 (このIDを非表示/違反報告)
温故知新(プロフ) - まめさん» 嬉しい…!😭💘心臓爆発のご報告ありがとうございます!!!(?)カルトちゃんの可愛さや魅力を少しでも書けていましたら、夢書きとしてもオタクとしても大変嬉しいです…! (4月11日 6時) (レス) id: a95c51921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:温故知新 | 作成日時:2024年2月1日 18時