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今日の授業も一通り終わり、放課後。
剣持刀也は竹刀袋を肩に下げ、他の生徒に紛れながら校門へと向かう。
グランドではサッカー部や野球部などの運動部の活発な声が響いていた。校舎の周りをランニングする陸上部の中にはクラスメイトの顔もあり、目が合うとこちらへ向かってきた。
「あ、剣持。もう帰んの?今日配信ある?」
剣「今日は部活なしなんで。っていうかあんまり大きい声で配信とか言わないで」
ごめんごめん、とそのクラスメイトは笑いながら謝る。
配信者は多くの人の目につく職業だ。もちろん剣持の活動を知っている生徒もいる。
正直活動について知られているのは気まづさはあるが知名度が上がってきている証拠でもあるため少しばかり嬉しかったりする。
「今日お迎えあんの?」
剣「そうだけど…なんで?」
「いやぁ…」
確か今日は芦戸さんのお迎えがある予定だ。
クラスメイトは言いづらそうに校門の方を指さす。
そちらへ視線を向けると、数人の男子生徒のグループが見えた。
隣のクラスの生徒で、少し治安が悪いということで有名な人達だ。
出来れば関わりたくない。
そう思ったが、そのグループの中央で少し困ったように身じろぎをする見覚えのある人物が目に入った。
「アレ、お前んとこのマネージャーさんだよな?」
間違いない。
芦戸さんの姿を確認するなり足が彼女の方へと向かい出した。
「お姉さん誰か待ってんの〜?彼氏クン?」
「もしかしてお姉さん年下好きだったりする?じゃぁ俺立候補しよっかな〜!」
『あはは〜…』
彼女お得意の愛想笑い。
いつも僕にするみたいに嫌なら思いっきり突き放してしまえば良いのに。彼女程の美人からのキツいお言葉にはどんな男だって黙って去るはずだ。
まぁ彼女のことだから、自分のとる行動で生じる僕への利益不利益でも考えてるんだろう。ヘイトが僕に向かないように黙って受け入れることしか出来ない。
男子生徒達の間をすり抜けて、彼女の目の前まで行くとそのまま彼女の腰を男子生徒達にわざと見せつけるように抱いた。
突然現れた僕に、彼女は驚いたように目を大きく見開く。
お、珍しい。無表情以外の僕に対する彼女の表情が見れて呑気にそんなことを思った。
剣「"僕の"彼女に何か用ですか?」
『…はっ?』
視界の端で彼女が僕を睨むように顔を顰めるのが見えた。
……ちょっと色々間違えたかもしれない。
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クロセ(プロフ) - 初めましてですみませんが、我慢できないので書かせてください!てぇてぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!……失礼しました! (2022年10月15日 21時) (レス) @page8 id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - めっちゃ面白いです〜!ここから関係性がどう変わっていくか楽しみです!更新頑張ってください! (2022年8月10日 0時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - 芦戸さんのキャラめっちゃ好きです!すごく面白いです!更新頑張ってください! (2022年2月21日 0時) (レス) @page4 id: 28dea4d994 (このIDを非表示/違反報告)
ko - 関係性が死ぬほど好みすぎるんです 更新頑張ってください! (2022年2月19日 9時) (レス) @page4 id: 11d340d3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銃狐 | 作成日時:2022年2月16日 0時