マネージャーが塩対応【2j3j】【knmc】 (ページ4)

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伏「んじゃ、刀也さんまた後でね〜」

剣「うん」

伏「芦戸さんもね」

『はい、また後ほど！』

伏見さん達は別の打ち合わせなので途中で別れる。

剣持さんと会議室に入った瞬間、ふっと表情筋の力を抜いた。

剣「いや切り替え早っ！笑顔どこいったんですか」

『ずっとはさすがに疲れます』

はぁ、とため息をつきながら椅子に座る。剣持さんもそんな私に呆れながら私の向かいの椅子を引いた。

剣「なんで僕の前だと愛想なくなるんですか」

『剣持さんはいっかなって。今更やってもって感じじゃないですか？』

剣「そりゃそうですけど…」

私が剣持さん以外の人に愛想良くしてるのも、剣持さんには塩対応なのも事務所では既に有名な話だ。

別に猫かぶりなわけではなく先程の伏見さんに対する対応は全て本心だし、剣持さんに対する対応も本心からである。

ただずっとニコニコするのが疲れるだけ。

私は準備しておいた資料などを剣持さんの目の前に差し出す。

『いくつか企業案件きてますよ。とりあえず保留状態なので何か面白そうなものがあれば受けましょうか』

剣「急に始まった…まぁいいや。あ、このゲーム気になってたやつだ」

剣持さんが指さした資料を見る。

育成シミュレーションゲームらしく、紹介用の画像には小さな可愛い女の子のイラスト。

アプリアイコンにも満面の笑みの愛らしい幼女のイラストが。

『……ロリコン』

剣「違います」

『別に私は気にしませんよ、自分の担当ライバーがどんな性癖を持っていようが全然』

剣「やめて！それ以上は企業様にも失礼になりますよ！」

冗談はさておき。

有名なゲーム会社の新作らしいので、これを機にうちの剣持刀也を贔屓にしてくれるのなら嬉しい。

『じゃあこれ受けてみましょうか、後で企業様に連絡して後日スケジュールの修正入れときますね』

剣「あぁ、ありがとうございます」

ポケットから手帳とペンを取り出し、必要事項をまとめておく。

私が書き留めている間、剣持さんはペンを持つ私の手をずっと目で追っていた。

『あの、何か？』

剣「いや、インク切れそうだなぁと」

『結構使ってますからね、そろそろ替えときます』

パタンッと手帳を閉じ、剣持さんと目を合わせる。

『そんなことより、そろそろ新規ボイスの収録が始まるんですけどどうですか？』

剣「いや、いいです」

『……チッ』

剣「舌打ち！？」

くそ、今回もボイス販売逃した。