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放課後私は図書館で、本と睨み合っていた。
『あ?なんでこの問題その答えになるんだよ…』
参考書よんでもイマイチ頭がついていかない。
別に頭が良いわけではなかったが、そこまで悪いわけでもない。
一度理解すれば後は楽なのだが、理解するのに時間がかかる。
スマホのロック画面を見ると、結構時間が経っていたことに気づく。
『そろそろ帰るか』
デ「あ、A!」
『え…』
荷物をまとめていると、窓からヒョコッとデュースが顔を出した。
窓に近づいてよく見てみると、運動着を着たデュースが箒に乗って飛んでいた。
下では同じ運動着姿のエースが見上げている。
『飛行術の練習?』
デ「まぁそれもあるが…」
言葉を濁すデュースに首を傾げると少し照れたように続きを話し始めた。
デ「A、魔法使えないだろ?飛行術の授業の時も見学してたし…Aにも箒で飛んでる時の景色見せてやろうってエースと話したんだ」
『え、見たい!』
デュースが差し出した手を戸惑うことなく握ると、思いっきり引き寄せられ同じ箒に乗ることが出来た。
デ「動くぞ、掴まっていてくれ」
『う、うん』
動き出したのが、怖くてすぐにデュースの服を掴む。
風がすごかったが、しばらくすると落ち着いたため、ゆっくり目を開けた。
『わぁ…綺麗…』
夕焼けに照らされた木々や草花が、風に揺れてキラキラと輝いて見えた。
風が心地よく、放課後ということもありとても静かで落ち着く。
私はポケットからスマホを取り出し、夢中になって写真を撮り始めた。
エ「お、気に入った感じ?」
いつのまにか、エースも箒に乗って来て隣に並んだ。
『うん、すごく。何回もこんな景色見れるんだ、羨ましい』
エ「良かったな」
『うん、二人ともありがとう』
礼を言うと、二人とも驚いた顔をした。
エ「なんだ、フツーに笑えんじゃん」
デ「結構可愛らしい笑顔するんだな」
『え、あ、ありがとう?』
顔を褒められたことがないから、どんな反応をすれば良いのか分からないし、デュースは天然ってことは今日の一日で分かった。
とりあえず、お礼言っとこ。
その後、しばらく空中散歩を楽しんだ。
二人に寮まで送ってもらい、自室のベッドに横たわる。
『今日撮った写真、マジカメに上げよ』
皆にも見て欲しくて、綺麗な夕焼けの写真を投稿した。
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ありす - ケイト推しなんですが!とてもいい作品で今まで見てきた作品の中で1番ケイトがケイトしていて凄かったです!ケイトの少し内気?なところとか書かれていて作者様はすごくこの作品に力を入れられたんだなと思いました!これからも頑張ってください!!!!!! (2021年11月26日 22時) (レス) @page47 id: 189a76a90f (このIDを非表示/違反報告)
何処にでもいるただの馬鹿(プロフ) - コメント失礼します。このような神作品を読めてめちゃ嬉しいです(●´▽`●)オープンチャットに入らさせていただきます<(_ _)> (2021年7月7日 22時) (レス) id: ec2dc24a29 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オワー?!!!久しぶりにこんな素敵な作品に出会いました〜;ありがとうございます;; (2021年6月25日 21時) (レス) id: 01d4ee8d39 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 今更ですが、全て読ませていただきました…!すごく素敵な作品に、心が浄化されました(笑)こんな神作品を紡いでくださり、本当にありがとうございました。 (2021年3月14日 22時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
ST80879379(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります (2020年10月29日 23時) (レス) id: 0af497960d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銃狐 | 作成日時:2020年8月4日 0時