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ある日、廊下を歩いていると…
スパァアンッ!!
『…は?』
私の目の前を矢が通り過ぎて、すぐ横の壁にものすごい音をたてながらぶっ刺さった。
一気に血の気が引けた。
なに!?私狙われてるの!?なんで!
ル「やぁ!危ないところだったね!」
廊下の窓からひょこっと大きな帽子と輝く金髪が揺れた。
そこに居たのは3年のルーク・ハント先輩。
ポムフィオーレ寮の副寮長さんだ。
ルーク先輩は窓から這い上がると私の近くの壁に向かい、矢を引き抜いた。
いや、アンタ背負ってるの弓じゃん。犯人アンタじゃん。
ル「君、矢があと数センチで頭に刺さりそうな距離にいても気付かないようだったから、私が魔法をかけて方向をずらさなければ死んでたね!それに、魔力がない者は魔法がかかった矢にも気づかないとは!」
『や、やめてくださいよ!先輩が魔法を使うのがもう少し遅ければ死んでたんですよ!?めっちゃ怖かったんですけど!?』
ル「普通は皆自力で避けるから、君の行動には心底驚いたさ!私もあそこまでハラハラしたのは久しぶりだ、なんせ人を殺しかけたのは初めてだからね!」
『アンタやばいな!』
ル「ウィ!」
この学園ヤバいな。
顔面偏差値高いけど、変人ばっかだ。
『で、なんの用ですか?狩りの練習にわざわざ生きた人間を使うほどイカれてないでしょう?』
ル「上級生を狂人呼ばわりとは実に面白い少女だ!」
いいからさっさと要件言えや。
ル「私を睨み付けるその瞳!なんて魅力的なんだ!君は狩人の素質があるよ、その瞳に睨まれたら獲物はビビり上がるだろう!」
『よ・う・け・ん!!』
ル「ウィ!実は我が寮の美しき女王様が君に用があるようでね」
それをさっさと言え!
ル「今日、授業が全て終わったらポムフィオーレ寮に来るといい。もし来なければ…」
『来なければ?』
ゴクッと唾を飲み込む音が聞こえた。
ル「また矢を送らせてもらうよ!今度は死ないようにね!」
『まずその発想をやめてください!』
私の言葉を聞き終わる前にルーク先輩は窓から飛び降りてしまった。
また何か面倒な人に目を付けられた。
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ありす - ケイト推しなんですが!とてもいい作品で今まで見てきた作品の中で1番ケイトがケイトしていて凄かったです!ケイトの少し内気?なところとか書かれていて作者様はすごくこの作品に力を入れられたんだなと思いました!これからも頑張ってください!!!!!! (2021年11月26日 22時) (レス) @page47 id: 189a76a90f (このIDを非表示/違反報告)
何処にでもいるただの馬鹿(プロフ) - コメント失礼します。このような神作品を読めてめちゃ嬉しいです(●´▽`●)オープンチャットに入らさせていただきます<(_ _)> (2021年7月7日 22時) (レス) id: ec2dc24a29 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オワー?!!!久しぶりにこんな素敵な作品に出会いました〜;ありがとうございます;; (2021年6月25日 21時) (レス) id: 01d4ee8d39 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 今更ですが、全て読ませていただきました…!すごく素敵な作品に、心が浄化されました(笑)こんな神作品を紡いでくださり、本当にありがとうございました。 (2021年3月14日 22時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
ST80879379(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります (2020年10月29日 23時) (レス) id: 0af497960d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銃狐 | 作成日時:2020年8月4日 0時