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「全く、漸く君を捕まえたよ」

『あのねえ、人を物みたいに言うな』


「…あの子、大佐と仲悪いのか?」

「…君ほどではないけれど、ね」

「僕達とあんまり年は変わらないように見えるけど…」


くそう、大佐に捕まってしまったのは予定外。

自由気ままに旅するつもりだったのに、こりゃあ暫く彼に扱き使われるな…


「うわあ!貴様…ぐあっ!」

『ん?』


突然声がして、私達はその声の方へ振り向いた。

見ると、さっきお縄に掛けたボス男が縄を振りほどいて立っている。
機械鎧から突き出した刃が見えるからあれで切ったのか。


「うわ、仕込みナイフ…」

『…凄い顔してるけど平気?』

「大佐、お下がり下さい…」

「いや、これでいい A」


銃に弾をセットしたリザ中尉を手で制した大佐が私に声をかけた。

…嫌でも、何をしたいかが分かってしまうのは、長年(・・)の付き合いだからだろうか。


『はあ、本当に人使いの荒い…』


そう言いながら、ぱん、と手を合わせる。

その行為に、金髪の彼が目を見開いた気がした。


「おおおおお!!」

『…凍てつけ』

「……ッ!?」


ばっと手を出せば、錬成反応の翠の光が迸る。

そして、男の身体には少しずつ、機械鎧を先頭として霜がつき始めた。


「(霜…!?)」


すぐさまバチン、と大佐が指を鳴らす。

発火布に刻まれた錬成陣からは、赤い光が瞬いた。


「ごぉあっ!?」


ゴオッ、と凄まじい音がして、普通の大気中なら有り得ないような炎が生まれた。
男は大声で呻きながらホームに倒れ伏した。
炎をまともに食らった上半身は、少し焼け焦げている。


「手加減しておいた。まだ逆らうというのなら次は消し炭にするが?」

『手加減か、よく言うよ…私の錬成術まで使っておいて』

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キース - 更新頑張って下さい!とても面白くて大好きです! (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7e1a44873b (このIDを非表示/違反報告)
アギト - そういえば、idって同じ数字にもなるんだね。 (2019年7月23日 10時) (レス) id: ef60878955 (このIDを非表示/違反報告)
アギト - 日向さんこんちゃーす。私もこの作品の続きが気になって確認してました。 (2019年7月23日 9時) (レス) id: ef60878955 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 続きが見たいです。心から!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 24db1a3b4c (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - これ取っても面白いですね。ときどき探してみています。ちなみに私も作品をいろいろ書いています。 (2019年6月16日 15時) (レス) id: 24db1a3b4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神菜 | 作成日時:2019年1月31日 19時

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