あなたも私もｱｲﾄﾞﾙ。(2) (ページ41)

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こんなはずじゃなかった。

ナムジュンとのステージもあるのに。

お願い、動いてよ、私の体。

舞台裏で横たわっている私に
スタッフさん達がお水を持ってきてくれたり、
マッサージで体をほぐしてくれたりもするが
効果は無さそうだ。

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

,

『A』

「オンニ……」

声の主はジアオンニ.

私がリーダーだけど、最年長なのはジアオンニ。
だから、みんなが思っていることを伝えるのも自然と彼女の役目になる。

『ステージ、上がるの辞めよう。

ここまでよく頑張った、もう充分だよ。

ね…？』

オンニが言っていることは正論だ。

この体調でステージに上がったらどうなるか分からない。

.

.

.

でも、

' 私はここまで頑張ったから充分 '

ではないんだ。

" ここまで来たからやり遂げたい "

これ一択なんだよ。

私達を見に来てくれた人のためにも、ここで終わらせたくない。倒れるなら全て終わった後だ。

「すみません、本番もう少しです！！！」

焦ったスタッフさんの声が響き渡る。

この場は緊張感に包まれている。

「……Aさん、どうしますか」

スタッフさんから初めてされる問い.

でも、もう決まっている。

.

「っ、ステージ上がります。イヤモニ下さい。」

.

この私の一言に、私の決意を感じたのかスタッフさん達もステージに上がる準備を進める。

『A……』

ジアオンニが涙目で私を見つめる。

ミンソやスアも不安そうな表情だ。

「オンニ…ミンソもスアもそんな顔しないで…

ただの私のプロ根性ってやつだよ。
それに、私達今までこれ以上の物をたくさん乗り越えてきたでしょ…？

だからこんなんへっちゃらだよ。」

皆が自然と私の周りに寄ってくる。

言葉はなくても、私達Soleilの意見はまとまったようだ。

全員で手を繋ぎながら、いつものセリフ.

〝We Can do it 〟

『放送事故作らないようにね…』

「作っちゃったらごめん笑」

『こら、ミンソ冗談でもそんな事言わないの！
A、無理だけはしないで。限界だと思ったら私たちに任せて。サポートするから。』

「オンニ、愛してます。サビのハモリ大きくして貰えたら嬉しいです。」

『オンニ達！ステージ上がりますよ！』

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まずはこのステージを乗り越えるんだ____