優しさ届ける広い空！7

＊２８３話　遅刻!? ページ21

貴「ふへへ」

マ「・・・朝からだらしない笑みを浮かべるのやめてくれない?」

貴「失礼なっ…!しょうがないでしょ、今や一番の宝物なんだから。それに何より、だらしなくない」

マ「しょうがないって言ってる時点でだらしない顔してること認めてるじゃない」

貴「何のことか分かんない」

私が朝から見つめてたのは昨日みんなで撮った集合写真

さっそく写真立てに入れてリビングに飾っていた

ココさんとナッツさんもぬいぐるみのふりをしてのぞみとこまちさんが抱っこしてるし、ほんとにほんとの集合写真だ

マ「・・・学校にも持って行くなんて言い出しそうで怖いわね…」

貴「さすがにそれはしないよ。だって学校に言ったら本人たちにも会えるし」

マ(一応ここにも本人いるんだけど…)

とか思ってたりして…

貴「ないか」

マ「何が?」

貴「なんでもない」

マ「?まぁいいけど。それより、そろそろ学校行かなくていいの?」

貴「え?」

マフィンに言われて時計を見る

かれんさんとの集合時間に、走っても遅れてしまうくらいの時間だ

というよりも集合時間を２分くらい過ぎてる

集合時間はちょっと早めだから学校自体に遅れることはないけど、確実にかれんさんを待たせてる

貴「やっば!!ごめんマフィン、先行くね!家の鍵お願い!!」

マ「はいはい」

慌てて自分の部屋に置いてあったかばんを引っ掴んで外に出る

貴「いってきます!!」

さぁ全力ダッシュの始まりです

鞄重いし足に当たるしめっちゃ邪魔!!

２分ほど走っているといつもの場所にかれんさんが立っているのが見えた

貴「かれんさ〜ん!!」

か「あ、A、おは…よ…どうしたの!?」

かれんさんの挨拶が途中で途切れ、心配する言葉に変わったのは私が肩でぜーぜー息をしていたからだろう

貴「ご、ごめんなさいっ…遅れ…ちゃってっ…」

か「だ、大丈夫だから。とりあえず落ち着きなさい」

貴「はい…」

大きく息を吸ったり吐いたりをなんどか繰り返すと、少しずつ呼吸も落ち着いてきた

貴「死ぬかと思いました…」

か「物騒なこと言わないの。それで、どうしたの?」

貴「家出たときに、もう集合時間過ぎてて…。全力ダッシュで走ってきました…」

普段から５分前にはここにいらっしゃるかれんさん

いつもそんなかれんさんよりさらに５分くらいはやく着くようにしてたのに…!

貴「お待たせしちゃってすみません…」

か「いいのよ。いつもは私が待たせちゃってるんだし。もう大丈夫?」

貴「はい!」

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