優しさ届ける広い空！6

＊２４９話　あめんぼ あかいな あいうえお ページ39

貴「・・・うららちゃんは私よりずっとすごいんだから、目標はもっと高く持とうね…」

なんでうららちゃんの目標が私になってるの

おかしいでしょ

う「いえ!私なんてまだまだです!もっと精進していかないと…!!」

素晴らしい心意気

瞳は透き通っていて、しっかりと前を見据えてる

貴「なおさら私が目標とかだめだよぉ〜…」

勘弁してください

り「いや、ていうか、Aがそんなに歌が上手とか初耳なんだけど!!聞きたい!」

の「うんうん!Aちゃん歌ってみて!!」

貴「絶対嫌」

とりあえずりんとのぞみの言葉は一刀両断してうららちゃんに向き直る

貴「うららちゃんが何を勘違いしてるのか分からないけど、私はそんなにすごくないから。その日見たこと聞いたこと全部忘れておいて」

う「いいえ!私の目と耳に狂いはありません!大丈夫です!」

貴「何も大丈夫じゃないんだよなぁ…」

もし仮にうららちゃんが大丈夫だったとしても私が大丈夫じゃない

貴「じゃ、じゃあせめて誰にも言わないで…」

マフィンになんてばれた日には、ニマニマ笑いながらいじってくる気しかしない

マフィンはそういう子だ

あ、でもかれんさんとこまちさんがいたら止めてくださるような気が…

しないな

特にこまちさんはない

意外とこまちさんは意地悪だ

普段は誰よりも優しいのに

う「?どうしてですか?もったいない…」

貴「もったいなくないから。ただの黒歴史にしかならないから」

それからも何度か懇願すると、うららちゃんは了承してくれた

これで一安心…とはならない

私が目標だなんて間違ってるって気づいてもらわないと

の「あ!ねぇねぇ、私もさっきのやってみたい!」

私達の話が一段落ついたのをさっしたらしいのぞみが手を上げながら立ち上がった

貴「さっきのって…発声練習のこと?」

の「はっせ…?あめんぼのやつ!!」

発声練習ね

り「ま、いいんじゃない?減るものでもないし」

の「あー! あー! あめんぼ あきゃいな あいうえお

　 うきみょに きょえびも 泳いでる…

　 きゃきのき くりのき きゃききゅ……くっ…」

ごめんねのぞみ

私間違えてた

貴「全部覚えてるのかなって思いながら聞いてたんだけど…それ以前の問題だったね…」

可愛いけど

えげつないくらい可愛いけど

の「Aちゃん酷い!!」

いや、りんとうららちゃんの顔見てみなよ…

目が点だよ…?

貴「うん…のぞみ、今度私と一緒に練習しようか…」

これでその量噛むのはかなりだと思う…

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