第4話 空の呼吸 ページ9
大正██年 █月█日 █曜日
あれから数週間たち。
僕は伊黒さんや甘露寺とはよく話すようになった。
すごくない?柱とだよ?
けど、甘露寺さんと食事に行くと毎回伊黒さんがついてくるんだよね。はっきり言うと邪魔
アピールが凄いよなあって思う。
もはやストーカーレベル。
そのくせ「甘露寺さんのこと好きなんでしょ!」って言うと否定するから分からない。
これがギャップ?
「A、日記は書き終わったか?」
「はい、師範!」
世界が蝋燭を持って立っている。
今はもう慣れたが、最初はお化けかと思ってびっくりしていた。懐かしい…
「ああ、そういえば。」
「はい」
「明日呼吸について教える。心の準備をしておけ」
「は………えっ?」
ついいつも通り返事しようとしたが、踏みとどまった。
え、呼吸?
ついに?
「ちょ、しは…」
「じゃあおやすみ!!」
Aが追求しようとすると、世界は逃げるように立ち去ってしまった。
えぇ…
蝶屋敷の蟲柱、胡蝶さんによると同期のカナヲは呼吸の訓練のためにひょうたんを割っているらしい。
僕も真似してやってみたところ、とんでもなく肺が痛くなった。
「うぐ……明日に備えてもう寝よう…」
明日の訓練のために(盗んだ)ひょうたんを割ってみようとしたが、無理だった。ほんとに。
カナヲやば………
満身創痍で布団に入るAを、白い蛇が見ていた。
バシッ!!
まどろみに沈むAを、いきなり鞭が襲った。
驚いて起き上がると、そこには笑顔の世界が。
「グッドモーニングA♡」
「バッドモーニングなんですが」
鞭を打たれた背中が痛い。
世界のほうを恨みがましく見る。
すると。
「………?」
鏑丸と目が合った。
あれ、昨日もいたっけ?
話しかけようとすると、さっと消えてしまった。
意味がわからない。
首を傾げるAを、また鞭が襲ったのだった。
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作者名:いふらいと | 作成日時:2023年5月14日 19時