第3話 継子 ページ7
「今日からお前は空柱の継子となる。心して鍛錬に励むように」
「はい」
昨日はもう夜遅いとのことで、Aは空柱邸に泊まることになった。
渡された刀はもう既に空のような青色に染まっていて、自分が使っていいのかと思うぐらい美しかった。
昨日お泊まりしてわかったのだが、世界は風呂の時以外は目隠しを外さないらしく、Aは逆に興味をそそられた。
「…失礼ですが、せか」
「師範」
「…師範。」
「なんだね」
「師範はなぜ目隠しをしているのですか?」
「乙女のぷらいべーとだ。気にするな」
「ぷらいべーと?」
いきなり西洋の言葉を使われ、首を傾げる。
ぷらいべーとってなんだ…?
まあ、そんなことはどうでもいい。
世界が咳払いをすると、急いで姿勢を正す。
「今日はまず基礎の鍛錬を行う。」
「はい」
「……では、この屋敷を200周。」
「……………はい?」
耳を疑った。
え、いきなり?
50とかならまだわかるが、え、200?
「あの、しは…」
「文句を言うな さっさと走れ」
世界は腕を組み、淡々と告げる。
威圧感がすごく、Aはそう言われた瞬間死ぬ気で走った。
「199………200。
よし、やめ」
や、やっと終わった…
その場に座り込む。
激しい運動のあとは歩いた方がいいとは聞いたことがあるが、今のAには無理だった。
足が痛い!!!
「お前、本当に山育ちか?」
「僕は!!!!短距離走が!!!得意なんです!!!!!」
「体力の無い者は皆そう言い逃れをする」
疲れきっているA。
いつもはスルーするが、相手が相手なのでこちらも言い返した。
ギャーギャー言い争いをしていると、門が叩かれた。
こほん。
世界が咳払いをして、羽織を整える。
「素振り100回。終わったら腹筋」
「何回ですか?」
「私が戻るまで」
「ええ!?」
刀を渡され、困惑するA。
…だが、やるしかない。
はあ、とため息を吐いて木刀を持った。
「あら、あの子が継子くん?かわいいわ〜!」
だれ!?!?!?!!!
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作者名:いふらいと | 作成日時:2023年5月14日 19時