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「……ここが、私の屋敷だ」

夜が明けはじめた頃、やっと屋敷に着いた。
やたらと広いその屋敷の門には、『空柱邸』とだけ書かれている。

「お邪魔します」

重い門を押して開ける。
思った通り、広々とした庭があった。
芝を踏み締めて歩く。

玄関を開け、世界は振り向いた。

「少し待ってろ」

そう言うと、世界はすぐに屋敷の奥へ消えていった。
奥からはガチャガチャと物音がする。
片付けでもしているのだろうか。

「いいぞ」

何事も無かったかのように、奥からひょっこりと世界が出てきた。
頭に埃が掛かっているのは気のせいだと思う。

「失礼します」

下駄を脱ぎ揃える。
世界はあまり履物に興味が無いのか、一足しか下駄が無かった。

「奥の部屋には入らないように」
「は、はあ」

多分、奥へ物を押し込んだのだろう。
襖が膨らんでいる。
言われるがまま居間に通され、茶菓子を出された。


………。


しばらく沈黙が続き、世界が茶を一口飲んでその沈黙を破った。

「なあ、本当に良いのか?」

Aは世界を見つめた。

「……はい。最愛の家族を殺され、弟が行方不明なんですよ?やるしかないです」
「………そうか」

Aは茶を口に運ぶ。
もうAの決心は揺るがない。
そう判断した世界は、席を立った。

「待っていろ。私が昔使っていた刀を貸してやる」

しゃらん。
血のように赤いAの耳飾りが揺れた。

第3話 継子→←第2話 生きる意味



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作者名:いふらいと | 作成日時:2023年5月14日 19時

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