続 ページ4
Aは何も言えずにへたり込む。
世界の言葉がやけに心に響いた。
「多分、鬼舞辻無惨の仕業だろう。
近くの山にいたという報告が来ている。」
「私が無惨の後を追う。
お前は………家族を悼んでやってほしい、と言いたいところだが…無理そうだな」
ぼおっと死体を見つめるA。
事態をのみ込めない。
したい?きぶつじむざん?
どうでもいい。
「………浮世。」
世界が空に呟くと、何処かから鴉が飛んできた。
毛並みは艶々しており、顔は凛としている。
その浮世と呼ばれた鎹鴉が肩に止まると、世界は口を開いた。
「春ノ山にて、家族が襲われる被害有。
鬼舞辻無惨によるものだと思われる。」
「リョウカイ!!
近クニ鬼殺隊員ガイルガ、ドウスルカ!?」
「いや、いい。あまり混乱はさせたくない。
もう別のところに行っているだろう。」
………鬼殺隊?
鬼殺隊。
もし、もし。
そこに入ったら、鬼を殺せるの?
「………ねえ、世界さん。」
急に口を開いたAに驚く。
鎹鴉も驚いて少し羽ばたいた。
「…僕もそこに入ったら、鬼を殺せるの?」
「………まあ、そうだな。
だが、苦しいぞ。」
「それでもいい。
家族を殺したやつが許せないんだ。」
世界を見つめるAの目には、決心が浮かんでいた。
それを見て、ため息を吐きながら世界は言う。
「本当は、継子などいらなかったのだがな。」
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作者名:いふらいと | 作成日時:2023年5月14日 19時