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第5話 最終選別 ページ11

「A、もうお前に教えることは無い」
「……え」

ある日、Aはいきなり呼び出された。
前皿を割ったことがバレたかとビクビクしていたが、なんと『最終選別』へ行くことが許されたらしい。

驚いてお茶をこぼす。

「しっかりしろ。あそこで生きるか死ぬかが別れるんだから」

微笑みながら世界は言う。
Aには、悲しみを抑えて頑張って笑っているのだとわかった。

「………必ず、生きて帰ります」
「ああ、それでこそ私の継子だ」




お下がりの刀を持ち、お下がりの着物を着る。
朝に出たはずが、会場に着いたのはもう真夜中だった。

「わあ、藤の花だ」

どうやら、この会場は咲く季節でもないのに藤の花が咲き乱れているらしい。
前、しのぶに『藤の花の毒は鬼に有効だ』と聞いたことがある。
恐らく、それを利用しているのだろう。

Aの前には、狐面を付けた少年がいた。
藤の花に触れている。

なんとなく親近感がわき、いつもなら話しかけないのだが、話しかけることにした。

「ねっ、ねえ…君。」
「ん? 何だ?」

反射速度が一般人より速い。
少しだけ驚きながら、挨拶をする。

「あの、僕…晴継A。
君は?」
「俺は竈門炭治郎。
よろしくな!」

炭治郎はにこっと笑い、手を差し伸べてくる。
うわ!!!!眩し!!!!!!

「よ、よろしく!」
「頑張って生き残ろうな!」
「勿論…!」

月明かりに照らされながら、2人は握手を交わしたのだった。


会場には沢山の人がいて、2人は少しだけ驚く。
暫くすると、おかっぱの子供2人が口を開いた。

「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。
この藤襲山には、鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり
外に出ることはできません」

「山の麓から中腹にかけて、鬼共の嫌う藤の花が一年中
狂い咲いているからでございます」

「しかし、ここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります。
この中で七日間生き抜く」

「それが最終選別の合格条件でございます
では、行ってらっしゃいませ」

このおかっぱ2人の言葉を合図に、皆は山の中へ入っていった。

続→←続



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作者名:いふらいと | 作成日時:2023年5月14日 19時

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