日本一厳しい鬼退治【伊黒小芭内】 (ページ1)

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第1話あ、死んだページ1

あ、死んだ。

まず最初に脳裏に浮かんだのは、その言葉だった。

オーケー、まずは一旦整理しよう。
僕、晴継(はるつげ)Aはお父さんに頼まれて裏山に野草を刈りに来た。
で、僕の目の前にはなんかやばい鬼みたいなやつがいる。
そして僕の手には気持ち程度に研がれた草刈鎌。
………。
死んだって！！！！！まずい！！！！！

こうしている間にも、鬼はじりじりと近寄ってくる。
こちらをあの赤い目いっぱいに捉えていて、完全に戦闘モードだ。

「ひいぃっ！！！！助けて！！！！やばい！！！」

必死に叫ぶが、鬼は聞く耳を持たず。
涎を垂らしながらこちらへふらふらと歩いてくる。

あ、なんか走馬灯見えてきたかもやばい

そんなことを思いながらも、最後の抵抗と言わんばかりに鎌を構える。
鎌だけに？はっはっはっは！！！！

死に片足を突っ込んでいる状況でパニックに陥った僕は笑うことしか出来なかった。
鬼はそんな僕を笑うように唸った。

「ゔぁぁ…」
「ひぇぇ………無理……」

ついに追い詰められてしまった。
木に背中が触れると同時に、死を覚悟する。

ああ、僕の人生ここまでか……
そう思って、目を瞑った瞬間。
いや、刹那の方が正しいかもしれない。
そのくらい速く、明るい太陽のような光が僕の前を掠めた。

「……え？」

僕が驚いて顔を上げると、そこには。

「大丈夫か？」
「は、はい…」

＿＿＿天女のような人がいた。