ちょっとまとうか!?【第五人格】 (ページ8)

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-Story8- ページ8

「いや、Aだって家に帰りたいはずだよな…」

珍しくサベターさんが気遣うように言う。

「いや、でも…」「Aさん、きつくないわけじゃないだろ?」

イライさんが間髪を入れずに聞く。
私が口ごもっているとイライさんは、驚くようなことをした。

「さみしかったよな」

と言いながら、私のもっとにきて頭をポンポンとし始めたのだ。
いわゆる頭ポンというやつだ。

私は恥ずかしいので顔を伏せながら、声を大きくしながら言った。

「えっ?!ちょ、えっ!あの恥ずかしいので、大丈夫ですよ?!」

ちょ、マジで、みんな見てるから!恥ずかしいから!
エマちゃんに限っては、「エマもなでるの!」といって一緒になで始めた。

二人からなでられるって…
いつぶりだろう、お父さんとお母さんは小さいころに死んじゃったからな…

私の精神は、思ったより負担がかかっていたらしく、ポンポンとされている間にジワリの涙がたまってぽたりと私の足元へと落ちていった。

「っ、」

その泣き出してしまった、私を見てエミリーさんはそっと言った。

「申し訳ないけど、Aさんには帰る手段がなさそうならば、ここにしばらくの間いてもらうことになりそうなの。このまま外に出すわけにもいかないし…女性だから余計に。」

「いえ、そこにはっ、感謝するんですが、ちょっと、思ったよりっ精神的にきてたみたいで…少ししたら落ち着くと思うんでっ。一人にしてっもらって、いいですか?」

涙声で嗚咽交じりな声で聞こえずらいと思うが、みんなは静かに最後まで聞いてくれた。

「じゃあしばらくこの部屋には誰も入らせないように言っておくから。しばらく…夕方あたりにまた様子を見に来るわね…?」

「はい、ありがとう、ございます。」

私がそううなずくと、みんなはそっと部屋から出て行った。

なんでこんなところにきたんだろう。
向こうではみんな大丈夫かな?
今まで育ててくれたおばあちゃんとおじいちゃん。心配してないかな?

そう考えれば考えるほど涙はあふれていき、私は気づかないうちに泣きつかれ、寝てしまった。