Splash 8 ページ8
パシュン!
刹那、鋭い音が響いた。
「『…………』」
私とあきらの間を1本の分厚いインクが遮る。
その線の先を辿ったら、明らかに怒っているリョクさんがいた。
そして喋る暇もなくあきらはそのままキルされた。
キルしたことを確認するや否やリョクさんは自分のポジションに戻っていった。
✱✱
試合は言うまでもなく圧勝。
試合が終わりリョクさんに目を合わせることも出来ずロビーに出た。
出口付近にはリョクさんにキルされたあきらがニコニコしながら立っていた。
その隣には背の高い のべー、というかのほほ〜んという感じの男性がいた。
(フレンドの人かな)
私はそんなことを頭の隅で考えながらミマリを含めた4人で次に進もうとした。
そのことに気づいたのか、あきらはフレンドらしき人と短く話をしてこちらに向かってきた。
「試合やるの?」
『さっき始めたばっかだし、倒したいと思ってる人と一緒のチームだと意味無いし...もう1戦交えようかと』
「そっか。あ、さっきのおにーさん」
「……」
ニカッと笑うあきらに、リョクさんは無表情のまま礼をした。
「チャージャー強い人だよね?」
「……一応」
「それなのに勝てない奴がいるってどんな感じ?やっぱり悔しいの?」
「「『( ゚д゚)!!!?』」」
(なんてことを聞いてんだ少年!!!)
「なんだお前...」
でもリョクさんは驚かずに呆れた顔をした。
「自分はそこまで有名じゃないし実力もないからか?
それとも自分の目標とするやつがいないからか?」
「なーにが言いたいのォ?おにーさん?」
「…No.1という肩書きを持っているにも関わらず無名のやつに勝てないって思い知ったら悔しいのは当たり前だ」
『』←無名のやつ
「俺は家がそんなに裕福じゃないから、生活費を稼ぐために技を極めた。
肩書きなんかを得るためじゃない」
家のために、試合してたんだ……。
「でもウデマエは確かなものだと自分でも思ったし、誰にも負けない自信があった」←ウデマエS+99
「リョクさん...」←こうたはA+54
「Aと対戦してから 初めて負けたと思った。
勝てなかったんだ。どう足掻いても。
それからだ。Aに負けたことで勝敗を気にするようになった。
何回対戦しても負けるし、名前すら覚えてもらえないし……いろいろ悔しかった」
『』←キルしても名前とか覚えない人
「____だけど、安心したんだ」
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霊狐 - あれ神様がいる (2016年1月23日 23時) (レス) id: e342c1418a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霸留 | 作者ホームページ:http://arumina0930.wix.com/aoirunanoko
作成日時:2016年1月16日 7時