【Splatoon】お前を倒すのは俺だ。 (ページ33)

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Splash 33 ページ33

｢…どっちが、勝つんだろうな｣

静まり返るモニタリングルームに響く兄の声。

私は答えることも出来ず、ただ画面を見つめる。

父の使う武器はガロン。

シューター、バケツ、ローラー、チャージャーという一見バランスの良いチームに、父は勝てるのかと聞くのは、それは愚問だ。

ステージはマサバで、とても広く高低のあるところだ。
下手に出ればチャージャーに撃ち抜かれるし、潜んでいればローラーやバケツに一瞬にしてキルされるだろう。

そう考えればシューターはバッタリ遭遇しない限り出番はないな。

＿＿＿＿けど、父のあの余裕さを見せつけられたら、どうとも言えなくなった。

｢はぁーい、１人目｣

早速ミマリがやられた。

｢ふーたーりーめっ！｣

こうた

｢さんにんめっ｣

あきら

｢＿＿＿＿＿＿＿＿降りておいでよ、リョクくん？｣

開始三十秒で３キルした父が、リョクさんの方を見る。

普通ならそこにいてもわからないはずなのに、わかるのは父が“ホンモノ”だからだろう。

今の距離では、リョクさんがやられてしまう。

『リョクさん危なっ！』

私の声は届くはずもなく、短い悲鳴が耳に入ってきた。

｢ふふっ、A見てる？｣

モニター越しに目が合う。

隙のない父に、誰が勝てるというのだろうか。