【Splatoon】お前を倒すのは俺だ。 (ページ21)

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Splash 21 ページ21

ぴちゃん

音を立てて立ち上がる。

私の味方は誰だろう、と思い後ろを向く。

『……え』

知り合いが 1 人もいない

まさかの全員敵になっちゃったパターン。

｢Aーーーーーー！！！｣

遠くからミマリの声が聞こえたからより一層現実なんだと実感させられた。

味方の人たちは｢呼ばれてるよ｣なんて親切に笑いながら言ってくれる。

試合はもう始まってるから味方の人は既にインクを散りばめながら走り出していた。

ステージはモズク農園。

『よしっ』

気を引き締めて私も走り出した。

✱

｢ねぇAー｣

『なに？お兄ちゃん』

｢なんでAと一緒にお外出ちゃいけないのー？｣

『わかんないよーそんなのー』

｢ねぇ、お外出てみたくない？？｣

『出てみたい！』

幼い頃、私は1回だけ兄と外に出たことがあった。

親がいても一緒に外に出たことなんて一回もなくて、〝外〟はどんなところなのか、どんな人たちがいるのか、興味があったからふたりで手を繋いでハイカラシティまで行った。

その時はまだ幼かったから、親に怒られることなど1ミリも考えてなかった。

『ひろーい！』

いつもテレビで見てた景色。

それが、目の前にあることが

実際に触れることが出来るのが

何より嬉しかった。

兄とはしゃぎながら街を駆け回った。

空がだいぶ暗くなってきた頃。

どこからか喧嘩するような声が聞こえてきた。

｢ミマリちゃんひどーい！
ラハルなにも悪いことしてないのにぃー｣

｢だーからっ！ラハルがすぐ泣くからダメなんだってば！
あんたがキルされんの怖がってる間に時間だけが過ぎてくの！ねぇわかる！？｣

｢こわいものはこわいんだもん！
ミマリちゃんのばかぁー！｣

｢＿＿＿＿こらこら、喧嘩はだめだよ？｣

喧嘩してるミマリに声をかけたのは兄だった。

お兄ちゃんらしいところを見せたかったのだろうか、私の方をちらちら見ながら2人の仲裁に入る。

｢ミマリちゃんが悪いのー！｣

｢っ...｣

『＿＿＿＿、』

ミマリちゃん、という子に責任を押し付けようとするラハルちゃん。

こういうとき、テレビの中の人ならどうするんだろう。

初めて女の子にかける最初の言葉＿＿＿＿。

『私と友達になって！』