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「ん」
「ン？」
その日の放課後。家に帰ってソファに寝っ転がったら爆豪がB5の用紙を私に突き出してきた。
「署名しろ」
「なにこれ…」
用紙を受け取って内容を確認する。
初段落には”林間合宿特別参加許可書”と書かれており、その下には署名欄と個人情報の記載が命じられている文書があった。
林間合宿特別参加許可書。それが意味するものを理解するのに時間はかからなかった。
「わ、私も一緒にいくの⁉」
「当たり前だ」
当たり前とは。
ていうか、あの雄英がよくこんなもの出してくれたな。
爆豪は成績がいいから、信頼のもとこれを発行してもらったのだろうか。余計な事すんな。
「夏休み…は、家で過ごしたいかなぁ〜…なんて」
「だめだそれ書け」
「なんで」
「はよ」
まさかこいつ片時も目を離さないつもりか。だからってわざわざこんなもの…。
「ってか参加したら緑谷に失明のことばれるよね？」
「ばれねえ。顔覚えてないっつってた」
「なんでだ緑谷」
「次その名前出したらぶっ殺す」
「はい」
ぺんを渡されて書き始めて、手を止めた。
「わ、私コミュ障なんだけど」
「知らねえ」
「無責任」
「うるせえ」
はよ書け、と促す。あぁ神様お助けください。
高校2年の夏休みって一番はね伸ばせる時期なのに、なんで他校の合宿に顔を出さねばならないのか。
「……書いたヨ」
「？ なら寄越せや」
「やだ」
「あ？」
「お前私の夏休みを何だと思ってるわけ⁉」
「どうせ暇だろ」
「暇だけど！夏休みだらだら過ごしたいの！何の予定もないとか最高でしょ！」
「ダチいねえんか」
「いるわ！」
「予定は決まってたりすんのか？」
「してないけど…」
いや待って。ここで”してる”って言ったら考え直してくれるんじゃない？
「決まってる！」
「ないな」
「あるって！今思い出した！」
「忘れてたってことはどうでもいい予定なんだろ。そんなもん蹴っとけ」
嘘をついても見抜かれてる上に正論をかまされた。こいつに勝てる気しないわ。
「でもこの紙渡さないもん！ばーかばーか！鬼！」
「餓鬼か」
「お前より年上だわ！」
「ババア」
「一個差だろふざけんな！」
くだらないことをぎゃんぎゃん吠えていたら、そのうち爆豪がめんどくさそうに舌打ちした。
面倒なら諦めればいい。私を置いていけカス。
そんな私の願いは届かず、なぜかソファに押し倒された。
…ン？
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A - 主人公ちゃんの通っていた高校名ですが、神奈川県に「横浜緑ヶ丘高校」という高校があったと思います。意図していらっしゃるかは分かりませんが、もし出来るならば、お名前を変えた方がいいかもです。そこの生徒さんが見ていないとは限りませんので…。 (2022年10月17日 16時) (
レス) @page5 id: 73542ec2e7 (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 主人公の心の中のツッコミに笑いながら見ました！面白かったです！！ (2021年10月1日 21時) (レス) @page14 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - まーまるさん» まじですかちゃんと爆豪っすか…!?最初は自信なかったんで安心しました笑 ありがとうございます！ (2018年2月14日 15時) (レス) id: 9ab1ebf13e (このIDを非表示/違反報告)
霸留(プロフ) - あやさん» ありがとうございますー！そう言っていただける励みになるので本当に有難いです！ (2018年2月14日 15時) (レス) id: 9ab1ebf13e (このIDを非表示/違反報告)
まーまる(プロフ) - かっちゃんのキャラがすごく精密に再現されてる…！！とても面白いです！ (2018年2月14日 14時) (レス) id: dd3991fe3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霸留
| 作成日時：2018年2月10日 0時
