降り積もった雪は陽光を浴びる #2

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side 赤



暫くすると体温計が役目を終えたようで無機質な音が鳴り響く。


青「...お前なぁ？」
紫「うわぁ、これでよく隠して仕事しようと思ったね？」


体温を見た2人の顔が呆れたような怒ったようなそんな表情に変わる。


黄「何度？」
紫「38.0℃。この時間でこれならまだ上がるよこれ。」
黄「......康、」
橙「...うぅ、ごめんなさい」
緑「まぁまぁ、今は怒るの禁止。康なにか飲み物欲しいある？俺買いに行ってくるよ」


体調の悪い康を結果的に責めてしまうような物言いをする3人を阿部が間に入って止めてくれる。



橙「......なんかあったかいの」
黒「え、暖かいの？スポドリとかの方が良いでしょ」
橙「............お腹痛いから。冷やしたない。」


緑「ん、りょーかい。ココアとかで良いかな？
買ってくるから大人しく寝ててね。」


阿部がその言葉の意味をきちんと読み取って楽屋を出ていく。
丸まった体にお腹に添えられた手。朝から何度か見かけた1人で楽屋を出る姿。今日だっかぁ、なんともタイミングの悪い。


赤「康、明日大丈夫？」
橙「ｹﾞﾎｯ...ｺﾞﾎｯ...ｯ、大丈夫やで...当たり前やんか。」



これまたタイミングの悪いことで明日は生放送で音楽番組がある。こんな状態で生放送なんて正直康の体が心配で堪らない。


赤「今日家行っていい？」
橙「だて大袈裟やなぁ、大丈夫やで」
赤「俺が心配なんだよ、寝れなくなっちゃうかも」
橙「......だて寝れへんなるのは困るなぁ」
赤「そうでしょ？俺のために家連れてってよ」
橙「...ん、だてありがとぉな」


他のメンバーたちも何か言いたげに俺を見ていたけどニコリと返して引いてもらう。明日に少しでも良くなってくれるといいんだけど...。

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