A broken mind

episode 19 ページ20

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ドラケン「お。はよ、A」




マイキー「おはよA。落ち着いた？」







よしえからの執拗い小言から逃れるように家を出たAは、向かいの家の塀に背中を預けるようにして立っていた2人に気づくと穏やかに頬を緩ませる。









貴「おはよう、万次郎、けんちゃん」






昨日の不安定なAとは違う。






いつもの穏やかな、花が綻んだように笑うその表情に安心したように目を細めた。








貴「昨日はごめんね。私どうかしてたや･･･佐藤さんにも酷いこと言っちゃった･･････」







そっと目を伏せて、静かな声で呟いたAの言葉にマイキーとドラケンは少し目を見開いて、顔を見合せた。








貴「どうしよう･･････」






明らかに落ち込んだ様子のAの肩にマイキーが優しく両手を置く。




ドラケンはそっとAの頭に手を置いた。





マイキー「A、悪ぃことしたな〜って時はさ、まず謝るんだよ」





ドラケン「佐藤はきっと良い奴だから、許してくれると思うぞ」







ポンポン、と慰めるようにAに触れる2人の手が動いた。






貴「わかった、私“ごめんね”って言う。もしダメだったら、また一緒に仲直りの仕方考えてくれる？」








不安げに瞳を揺らしながら、2人を見上げたAにマイキーとドラケンは嬉しそうに笑った。








マイキー「もちろん！残念会もしよーぜ」



ドラケン「うしっ、じゃあ残念会用にコンビニ寄って菓子でも買ってくか」



貴「許してもらえない前提なのやめよーよ･･･」






Aを真ん中に、歩き始めたマイキーとドラケン。






その表情はなんだかとても幸せそう。






2人には妹のような存在のAが仲直りの仕方で必死に悩んでる所や、解決の答えを見い出せず不安げに自分達を頼ってきたその様子が、可愛らしくてたまなかったのだろう。







と同時に、人見知りで人との関わりにやや消極的なAが自ら他人に歩み寄ろうとしている、そんな成長が嬉しかった。







しかし、Aの表情はそんなふたりと打って変わって暗い。






どこか覚悟を決めたようなその表情。





マイキーとドラケンがそれに気づくことは無かった。

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