シリアスが流行りってばっちゃが言ってた ページ20
・
裏面印刷されたプリントが三枚。
枠組みされた文字列は全てAに指名したヒーロー事務所の名前。
知ってる名もあれば、初耳の名もある。
1番興味を惹かれたのは《ホークス事務所》。なんせAの推しである。
「推しが、二枠しかない指名の一つを、私に、くれた｣
カタコトになりながら言いようのない喜びに震える。
しかし思い出すのは体育祭で轟と対戦した時に言われた言葉。
《轟「お前、開始すぐ上に逃げる癖あるよな」》
割と無意識だった。
そんなつもりはなかったが、いざ意識してみると自分はいつも空にいる。
空なら大抵の攻撃は受けない。
空は誰にも邪魔されないし、誰の邪魔もしなくて済む。
私の羽は大きすぎるから、周りの人の迷惑になる。とAは地上にいる時はいつも窮屈そうに羽を畳んで小さくしてるのだ。
空中戦は私の独壇場だ、と。空こそが私のフィールドだと信じてやまなかったのに。
はじめてそれが弱点になるのだと知った。気付かされた。
自分は、このまま地に足付けず空に逃げていていいのだろうか。とモヤモヤする。
自分への指名は、領空警備や災害救助を主とするヒーロー達からの使命が多かった。
自分に今必要なのは素の戦闘力では無いか、と思ってもこの指名一覧はAの飛行力とスピードを求めている。そのギャップに頭を悩ませた。
後ろに体を向けて聞いてみた。他者の意見を知って参考にするために。
貴「常闇くんはどこにするか決めた？」
常闇「あぁ。ホークス事務所だ」
即答する常闇をAは尊敬する。
貴「常闇くんって、どっちかと言うと武闘派だよね？ホークスとは真逆のように思うけど……あっ！悪いとかじゃなくてね!!……その、どうしてかなぁって」
常闇「…得意を伸ばす事だけが全てじゃないと思ってな。ダークシャドウは攻防一体の個性だが、スピードには欠ける。最速の男の元でなら、なにか掴めるかもしれない。
それに、No.3という、トップの世界を見てみたいという気持ちもある」
はっきりとした、自身の不得意を知った上で先を見通した考えにますます尊敬してしまう。
常闇「千羽はもう決めたのか？」
貴「あ、ううん。私もホークスのとこ行きたいなぁって思ったんだけど、それは単なる憧れでさ。
常闇くんの話聞いて思ったんだ。“好き”だけじゃダメだなって。
私はもう、憧れてばかりの一般人じゃない。ヒーローの卵なんだから。
実になる経験をしに行かなくちゃね！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花璋(プロフ) - イカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！台本書きにならないよう注意して頑張ってます！素人文ですが何卒甘い目でご覧下さいませ😌 (2023年1月29日 19時) (
レス) id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
イカ - 書き方（？）が読みやすくて好きです！更新頑張ってください！ (2023年1月18日 22時) (レス) id: 28b6081af3 (このIDを非表示/違反報告)
花璋(プロフ) - お気に入り登録100名様ありがとうございます。現在感謝イラスト作成中です。 (2023年1月9日 1時) (レス) id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
花璋(プロフ) - 凌さん» 閲覧いただきありがとうございます！これからも精進して参りますので応援よろしくお願いします！ (2023年1月8日 20時) (レス) @page17 id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
凌(プロフ) - めっちゃ好きです……… (2023年1月8日 18時) (レス) @page17 id: cfa1ac500b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花璋 | 作成日時：2023年1月1日 0時
