第40話 ページ42
【A視点】
真っ暗だった視界が、突然明るくなった。
私は、小さなサッカーコートの真ん中に立っていた。傍で、湖の水面が黒く光っている。
天使の、棲家。
辺りを見回す。すぐそばに、漆黒のローブを纏った、愛しい我が師の姿が見えた。
A「！私の…天使…」
『………』
天使はなにも言わない。
A「スタジアムのこと…貴方が…貴方がやったの？」
『……そうだ』
A「どうして⁉貴方はそんなことするような人じゃないはず…！」
『……』
A「貴方は私にサッカーの素晴らしさを教えてくれた！毎日毎日、あの練習室で…
貴方は誰よりもサッカーを愛しているはずだわ！
それなのに、どうして！？」
『……私が愛しているのはサッカーじゃない…
A、君なんだよ』
A「え？」
すると天使は、なにも言わず、するするとローブを脱ぎ始めた。
天使の腕が、躰が、次第に姿を見せる。
やがて、マスクを取ると、天使の顔が現れた。
世界中の時が、止まったように感じた。
．
．
A「大和…くん…！？」
濃い桃色の、長い髪。浅黒く焼けた肌。
鮮やかな、水色の目______
大和「すまない、A…お前が初めてドラゴンリンクに来て、あの練習室を使ったときから、お前のことを騙してた…」
大和くんは、申し訳なさそうに顔を歪めた。
A「今までのこと…全部、大和くんがやったの？」
大和「そうだ。全ては、お前を手に入れるために…」
大和くんが、ゆっくりと私に近づいてくる。
私は動けなかった。
気づいた時には、大和くんに、強く抱きしめられていた。
A「どうして私を…？私なんかより実力のある人なんて、他にもたくさんいるよ？」
大和「お前じゃなきゃ駄目なんだよ。俺を本当に愛してくれた人は、お前だけだったから…」
A「でも、貴方には大悟さんがいるじゃない！」
そう言うと、彼は首を横に振った。
大和「親父は本当に俺を愛してくれていたんじゃなかったんだ。お前に出会った今なら分かる。
A、お前は俺に、本当の愛を教えてくれた。
だから______」
次の瞬間、左手に、冷たい感触が走った。
ハッとして、左手を目の前にかざす。
．
．
薬指に、銀色の指輪がはめられていた。
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三条瑠奈(プロフ) - 天野桜子さん» コメントありがとうございます！！！！何回も更新が止まって申し訳ありませんでした。最後まで読んで頂いてとても嬉しいです！！！ (2017年1月5日 11時) (
レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
天野桜子(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までとても面白かったですo(｀ω´ )o (2017年1月5日 1時) (レス) id: dda5c4068d (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - 三条瑠奈さん» あはは、 そうだね(笑) (2017年1月4日 22時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
三条瑠奈(プロフ) - 麻生みかさん» ありがとう！いつかはみんな大人になるさ！（円堂さんだってなったし） (2017年1月4日 21時) (レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - あぁ〜 大人になんかなりたくないよー！！ でも しょうがないか (笑) (2017年1月4日 21時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三条瑠奈 | 作成日時：2016年8月15日 9時
