第36話 ページ38
【護巻視点】
スタジアムでの怪事件があってから、2日が経った。
昨日はスタジアムの修復やら今後の予定ぎめの会議やらで忙しく、試合ができなかった。だが、スタジアムは鉄骨が落ちただけだったし、全国からのチームが集まってる中で、はい中止、というわけにもいかず、日程を1日ずらして続行することになった。
俺たちが今日対戦する相手は、雷門中。
よくもまあ、狙ったようなタイミングで来たもんだ。もしかしてこの合同練習会も、裏では大和が…？
試合後に倒れた聖城は、医務室で休んでいる。どうやら一昨日の聖城のドリンクに、遅効性の毒が塗ってあったらしい。といっても大したものではなく、命に別状はなし。回復すればまたプレイできるとのことだ。
_____それも大和がやったなんて…俺は信じたくない。
選手控え室で、スパイクの紐を結び直す。あと10分で集合完了だった。
何事もないことを祈りながら、俺はグラウンドのAを見た。
【A視点】
郷石「Aセンパイ…さっきから顔色悪いですけど、大丈夫ですか…？」
A「えっ？」
どんよりした気分がどうも抜けない。
昨日の光景が、まぶたの裏に張り付いたかのように蘇って来る。
怖い目で、拓人を睨みつける天使。その背中に浮かぶ化身は、賢王キングバーン。大和くんの化身。
あの目といい、化身といい、私は天使の正体が大和くんであることを確信して来た。
だけど、心の奥ではまだ、天使が大和くんではないことを祈っていた。
もし天使が大和くんだったら、今までドラゴンリンクや拓人を脅迫していたのは、大和くんだったことになる。聖城くんを傷つけ、監督を苦しめて来たのが大和くんなんて思いたくない…
郷石「Aセンパイ…」
だけど、私には今、やらなきゃいけないことがある。
目の前で、試合の準備をしている拓人がいる。
雷門中との、試合。拓人との、試合。
勝ちたい。絶対に勝ちたい。
勝つ為にも、試合に集中しないと。
大和くんへの疑いを隠して…
A「…心配してくれてありがと。私は大丈夫…今日の試合、全力で行こうね」
にっこりと笑いかける。
神山「センパイ…」
神山くんも心配そうな顔してる。
私は神山くんにも、大丈夫だよと笑いかけた。
．
．
御戸「…大和、遅いな」
御戸くんが呟いた。
私はとっさにあたりを見渡した。
．
．
確かに、大和くんがいない。
私の背を、冷たい汗が、嫌な感じで滑り落ちた。
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三条瑠奈(プロフ) - 天野桜子さん» コメントありがとうございます！！！！何回も更新が止まって申し訳ありませんでした。最後まで読んで頂いてとても嬉しいです！！！ (2017年1月5日 11時) (
レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
天野桜子(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までとても面白かったですo(｀ω´ )o (2017年1月5日 1時) (レス) id: dda5c4068d (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - 三条瑠奈さん» あはは、 そうだね(笑) (2017年1月4日 22時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
三条瑠奈(プロフ) - 麻生みかさん» ありがとう！いつかはみんな大人になるさ！（円堂さんだってなったし） (2017年1月4日 21時) (レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - あぁ〜 大人になんかなりたくないよー！！ でも しょうがないか (笑) (2017年1月4日 21時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三条瑠奈 | 作成日時：2016年8月15日 9時
