第31話 ページ33
私は拓人と一緒に帰る約束をして、一旦別れた。
更衣室の中に入ってすぐに、私は部屋の手前にあるひとつのドアノブに手をかけた。
小さなサッカーの練習室に続くドアだ。
私は久しぶりに、お父さんにお祈りをすることを思いついたのだ。
お父さんに聞いてみよう。何せ、天使を遣わしてくれたのはお父さんなのだから…今となっては、天使は本当にお父さんが遣わしてくれた人なのかさえ、わからなくなってしまったけど。
古くなった人工芝のコートの中央に、ゆっくりと跪く。両手を組み、深く目を閉じ、強く強く念じる。
お父さん、お願い。
知恵を貸してください。
私はお父さんの天使に会ったけれど、天使は私を自分のものにしようとしている。
私は天使を尊敬しているけど、私には拓人がいる。
拓人を…私の愛する人を、傷つけたくない。
でも、天使のサッカーを忘れることもできない…
お父さん…
A「私は、どうすればいいの…？」
『戻ってくるのだ、A。私の元へ…
お前は私の導きを必要としている…
さらなる飛躍を望むならば、キミの父親の願いを叶えたいならば…
もう一度、私の元にくるのだ…』
聞き慣れた、甘い声。
顔を上げる。
目の前に、天使が立っていた。
黒尽くめのローブに、白いマスクをかけて。
鮮やかな水色の目が、射抜くように、私を見つめている…
『私のA。可愛いスノードロップよ…
こっちにおいで。キミを再び、私の世界へ連れて行こう。
もっと大きな力を授けてあげよう。
キミがそれを望むのならば、
さあ、こちらへ…』
天使が私に向かって手を差し伸べる。
引き込まれるように、手が伸びる。
そして私は、全てを投げ出し______
神童「やめろ！Aに手を出すな！！！」
拓人の声で、私は気を取り戻した。
拓人が部屋の中に駆け込んでくる。
私をしっかり抱きしめ、天使を睨みつける。
『…
天使も、目に激しい憎しみを宿してる。
神童「はあぁぁああっ！！！
『奏者マエストロ』！！！」
突然、拓人は化身を発動した。
部屋の隅に転がっていたボールに、猛然と突き進む。
神童「ハーモニクス！！！！」
拓人が、化身シュートを、天使に繰り出す。
『！！！』
天使は一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐに気をとりなおした。
天使の後ろに、紫のオーラが迸った。
『賢王キングバーン！！！！
キングファイア！！！！！』
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三条瑠奈(プロフ) - 天野桜子さん» コメントありがとうございます！！！！何回も更新が止まって申し訳ありませんでした。最後まで読んで頂いてとても嬉しいです！！！ (2017年1月5日 11時) (
レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
天野桜子(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までとても面白かったですo(｀ω´ )o (2017年1月5日 1時) (レス) id: dda5c4068d (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - 三条瑠奈さん» あはは、 そうだね(笑) (2017年1月4日 22時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
三条瑠奈(プロフ) - 麻生みかさん» ありがとう！いつかはみんな大人になるさ！（円堂さんだってなったし） (2017年1月4日 21時) (レス) id: 01ddb41fe4 (このIDを非表示/違反報告)
麻生みか(プロフ) - あぁ〜 大人になんかなりたくないよー！！ でも しょうがないか (笑) (2017年1月4日 21時) (レス) id: fe47231695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三条瑠奈 | 作成日時：2016年8月15日 9時
