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28話 ページ30

Aside




人から直接血を貰ったのは初めてで、すごく不思議な感覚に陥った。




血が私の中に流れ込んでくるのと同時に




炭治郎くんの過去の記憶が見える。




家族との楽しい記憶




そして、悲しくて辛い記憶も




これ以上見たら炭治郎くんに申し訳ない




そう思った私はそっと炭治郎くんの首から口を離した。



「ありがとう炭治郎くん。だいぶ楽になったよ」




炭「お役に立てたみたいでよかったです!

Aさん泣き出したから、俺の血が不味かったのかなって不安だったんですけど…」




「そんなことない!
……不死川さんにも炭治郎くんみたいに受け入れてもらいたいなって思ったら急に涙が出てきて


無理だって分かってるのに、馬鹿だよね」




そう言った瞬間、私は炭治郎くんに抱きしめられた




急だったので直ぐには状況がのみこめない




「ど、どうしたの?」




炭「…俺だったらAさんの全てを受け入れます」




「ありがとう。炭治郎くんは優しいね」




私はそう言って炭治郎くんの頭を撫でた。




しかし、その腕を炭治郎くんに掴まれ動けなくなる




炭「意味、分かってないですよね」




「意味…?」




顔が近くてすごく恥ずかしいのに炭治郎くんから目が離せない。




炭「俺はAさんだから血をあげたんです。



……好きだから。その…」





し「良い雰囲気のところ申し訳ありませんが、


お二人とも、ちょっといいですか?」




急に聞こえた胡蝶さんの声に私たちの肩がビクッと跳ねる。




それからは胡蝶さんのお説教の時間が始まった




し「炭治郎くん。心配なのは分かりますけどあれだけ部屋に戻りなさいって言いましたよね?」




炭「はい…すみません!」




し「Aちゃんは炭治郎くんが怪我をしているのを分かって血を飲んだんですか?」




「す、すみません!」




私たち二人は胡蝶さんの前に正座してずっと謝っていた。




し「不死川さんを宥めるの大変だったんですからね」




「…?」




なんのことだろう。




し「とにかく、Aちゃんは帰ったら不死川さんにきちんと相談するんですよ。食事のこととか。
不死川さんはちゃんとAちゃんを理解してくれますから」



「わかりました」




そうだよ。きっと理解してくれる。




ちゃんと相談しなくちゃ。




私は炭治郎くんを部屋に送り届け、蝶屋敷を出た。




帰りに空を見上げると、不吉なくらい綺麗な月が私を照らしていた。

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夜月─《 *無人* 》☆(プロフ) - 幸せを掴めた2人と愛を貰えなかった童磨、、好きになってしまったがために夢主ちゃんを鬼にしてまで愛されたかった童磨を救う術は無かったのかなとか考える。まあ童磨が推しだから尚更なんですけどね笑笑 最後は2人とも幸せで良かったあああ (2020年1月8日 14時) (レス) id: 7f57af0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - まゆさん» そんなに感動してくださるなんて感激です!こちらこそありがとうございます! (2019年11月5日 0時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 本当にどうしてくれるんですか…ハンカチじゃ足らずにバスタオル使ったら絞れるほど濡れたんですけど!!!素晴らしかったですありがとうございます!!!! (2019年11月4日 23時) (レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 純菜さん» 本当ですか?!すごく嬉しいです! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
純菜(プロフ) - え、待って、小説で泣いたの初めてなんですけど… (2019年11月4日 15時) (レス) id: 16d4e6c0bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美月 | 作成日時:2019年10月12日 0時

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