人魚の常連さん Ⅱ 【ツイステ】 (ページ11)

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52.本当の気持ちを叫びたいページ11

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｢お世話になりました｣

ｸﾛｳﾘｰ｢こちらこそ、リアーナ先生にはとてもお世話になりました。でも、びっくりしましたよ。急に結婚することになるなんて｣

｢そうですね。私もびっくりです｣

私は苦笑いを浮かべながら言った

ついにこの日が来てしまった

今日が彼との約束の日

私が学園を辞める日だ

ｸﾛｳﾘｰ｢先程シャーマルクさんから電話があって正門の前で待っているとの事でした｣

｢はい。彼を待たせるといけないのでこれで失礼します｣

学園長にそう言って私は学園長室を出た

そして校舎を出て、正門までの長い道のりを重たい足を動かして歩いた

歩いている間何度足を止めようと思っただろう

でも、一度足を止めてしまったらせっかく決めた覚悟が揺らいでしまいそうで怖かった

私は何とか足を止めることなく正門にたどり着いた

ｼﾞｮﾝ｢遅かったね｣

｢ごめんなさい。学園長に挨拶をしていたら遅くなってしまって｣

ｼﾞｮﾝ｢そっか、お疲れ様。じゃあ、そろそろ行こうか｣

そう言って彼は近くに止めてあった馬車の方に歩いていく

私は振り返り、最後に学園を眺めた

すると、校舎の方から誰かが箒に乗って正門の方に飛んでくる

よく見るとそれはフロイドくんだった

ﾌﾛｲﾄﾞ｢Aちゃん、ちょっと待って！｣

彼は箒からおりると私の元に駆け寄った

そして、手に持っていた花を私に差し出す

ﾌﾛｲﾄﾞ｢Aちゃんにお花あげるのも今日で最後だね｣

彼は目をうるませながら言った

｢そうだね。今までありがとう。フロイドくんのおかげでいっぱい思い出できたよ｣

ﾌﾛｲﾄﾞ｢オレもAちゃんがいたから毎日楽しかった｣

私は泣きそうになるのを必死に我慢した

ｼﾞｮﾝ｢A、行くよ｣

後ろから声がして振り返ると

彼は私を不機嫌そうに見ていた

｢ごめんなさい、今行きます。じゃあね、フロイドくん｣

そう言って私がその場を去ろうとした時

フロイドくんは私の手を掴んだ

ﾌﾛｲﾄﾞ｢ねぇ、最後に聞いていい？

_______Aちゃん、ほんとに今幸せ？｣

幸せなわけない

この学園にいたいし、彼と結婚したくない

本当の気持ちを叫ぼうと開いた口は彼に見られているという恐怖ですぐに閉じてしまった

私は笑顔をうかべてフロイドくんを見つめる

｢すごく幸せだよ｣

フロイドくんを心配させたくなくて私はそう言うことしかできなかった