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15.フロイドくんのお弁当 ページ18

昼休み




いつものようにフロイドくんを保健室で待っていると静かに扉が開いた






「…?どうしたの?」



私は明らかにいつもと違う表情をしている彼に問いかけた





彼は後ろに何かを隠し持っているようだ


ゆっくりとこちらに歩いて来た彼は

私の隣にあった椅子に腰掛けた





フロイド「これ…」


そう言って彼が差し出したものは購買のパン





「ありがとう」


私は不思議に思いながらも彼からパンを受け取った





昨日フロイドくんは「明日お弁当作ってくる」て言ってたはずなんだけどな…


心の中でそんなことを考えながら彼の方を見ると



フロイドくんが右手を自分の後ろに隠しているのに気がついた





「何隠してるの?」


私が後ろを覗き込もうとすると

私の動きに合わせて彼も動くので何を持っているのか分からない






しばらくそんなことを続けていると

やって彼が口を開いた




フロイド「…ぐちゃってなった」


「え、なんのこと?」





私が尋ねると、彼は手に持っていたお弁当を私に見せた






フロイド「今日の朝走って来たから…」



「学校に走ってきたらお弁当ぐちゃってなったの?」




彼は頷いて、またお弁当を隠そうとするので

私は彼の腕を掴んだ





「待って!お弁当食べさせて?」


フロイド「でも…」





「いいから、ね?」


私がそう言って手を出すと

彼は躊躇しながらも私の手の上にお弁当を置いた






「ありがとう!」


お礼を言ってお弁当を開けてみると中身は案外綺麗だった



よく見るとちょっと寄ってるけど

このくらい普通にある事だ






「美味しそう!いただきます!」


たくさんありすぎてどれを食べようか迷うけど

一番最初に目についた唐揚げを食べてみる




私が咀嚼している間

彼はとても心配そうにこちらを見つめてくるものだから私は彼の頭を撫でて微笑んだ





「すごく美味しいよ!」


フロイド「ほんと?よかったぁ」




そう言って胸を撫で下ろすフロイドくん


これは冗談抜きで今まで食べた中で一番美味しいお弁当だった

16.冗談でもいいから→←14.愛情がこもったお弁当



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美月(プロフ) - ななこさん» それはどうでしょうか!wこれからのお楽しみです! (2020年6月25日 23時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - じゅ、重要人物…ですと?!…まさか黒ずくめの組織っ…?! (2020年6月25日 18時) (レス) id: 87c8770c51 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - うみねこさん» ありがとうございます!嬉しいです!絶対フロイドは机にフォーク刺せるくらい怪力だと勝手に思ってますw (2020年6月24日 23時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - 凄く読みやすいし、ストーリーも面白いです!机にフォークwwwフロイド君怪力ですねwww (2020年6月24日 19時) (レス) id: 7c7d156ca0 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 莉弥さん» 読んでくださりありがとうございます!頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします! (2020年6月22日 14時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美月 | 作成日時:2020年6月13日 1時

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