リアコだって知ってる。2

dear5 ページ5

軽く言い合いになってしまって反省してるのか
帰りは助手席ではなく後部座席に座るふっか

「なんだお前眠いの？」
「う〜ん」
『遊びすぎた子供みたいですね…』

景品はたくさん取ったのに
腕の中にいるのはトリッピー

「ふっかはどんだけトリッピー好きなの？」
『私の家にいる時は常に一緒に居ますね』
「嫉妬しちゃってんだ？」
『ち、違いますよ！！』
「ふ〜ん」

意味ありげなふ〜んをいただき
流石に私も疲れたので眠気が襲う

「気使わずに寝てていいからね？」

運転手の照くんがミラー越しに声をかけてくれた

ボーッと窓の外を眺めていると
隣の席で寝ているふっかが
目を瞑りながら手探りて何かを探していた



近くに手を置くとギュッと握られる



ブレーキの拍子に手が離れてしまい


少し寂しい


小指だけがギリギリ当たる位置


もどかしい



小指を絡める



ふっかの綺麗な指…


左手の小指が引っかかって



それだけで体温が上がるのが分かる


ドキドキしていたら車は家のすぐそばまで来ていた

「先ふっかん家寄っていい？」
『荷物とか多いですしね、大丈夫ですよ』

そういえばふっかの家に行くのは初めて

閑静な住宅街にひっそりと建つマンション
中にはコンシェルジュもいて
厳重なセキュリティーが敷かれていた

スッと手は離れてしまって
寂しさだけが残る


「ここ、505号室俺んち」
『初めてみた』
「いいっしょ〜コンビニ近いしね」
『今度お邪魔しようかな』
「また今度おいでよ」




『じゃあ、またね？』
「うん、気を付けて」

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