リアコだって知ってる。2

dear36 ページ36

『おかえりなさい』





恥ずかしくて手で顔を覆うと





「可愛い顔、見せて？」



ゆっくりと抱き締める力を緩めて

私の手を退ける






「なーに、泣いてんの？」






「そんなに大好きな辰哉くんに会いたかったの？」






優しく首筋にキスをする



髪の毛は濡れていて


首に水が滴る




「ずっと会いたかった」


顔を上げると満面の笑みで目を合わせる


アイドルの時とは違って


優しくて包み込まれるような笑顔



ソファーに回り込んで隣に座る


指で涙をすくって笑いかけ


頬に手を当てて




唇にキスをした



　



「水も滴るいい男でしょ？」


『バッカじゃないの？』






首に手を回して私から抱き寄せる





「今日は大胆だね？」




久しぶりの彼の香りは
すごく胸が温かくなるのと

ほんの少し高鳴る



抱き寄せた彼の体は温かくて
ずっしりと体重がかかった



「ちょっと疲れちゃったかも」

『傘ささないで来たの？』

「マネージャーさんに送ってもらったんだけど、家の近くで下ろしてもらって歩いてきた」




『風邪ひいてんじゃんバカ』

「すぐに会いたかったから」

『そんな事言わないで』

「会いたくなかった？」

『会いたかったよ、すごく』

「何で泣いてたの？」

『会いたかったから』

「俺、かっこいい登場できてた？」

『持ってる男は一味違うね？』

「俺は昔から持ってるじゃん」


前からずっと一緒に居たような物言いで
口角を上げてニッコリと笑う


力が抜けて全体重が私にかかる


『え、昔から…？』



『って…寝てんじゃん』

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