リアコだって知ってる。2

dear4 ページ4

片道2時間の距離があっという間に感じるほど
夫婦との会話は楽しかった

「着いたよ」

レバーを切り替えてシートベルトを外す

平日のド昼間なのでゲームセンターは空いていた
2人は念のため変装をして外に出る

「ふっか、トリナントカは置いてけよ」
「トリッピーだから！！！！！」
『ふっかさん景品持てなくなりますよ？』
「じゃー仕方ないから置いてく…」

子供のように無邪気な顔でゲームセンターをぐるっと見回す
知ってる景品があると笑顔で教えてくれる

「佐久間も連れてくりゃ良かったかなぁ」
「アイツはいいよ、うるせぇもん」


UFOキャッチャーを楽しんだ後は
軽めにフードコートでご飯を食べた


UFOキャッチャー以外にも
非公式のブロマイドなども売ってた

「照〜これ！いや〜嬉しいね」
『照くんかっこいいですね…ステージ映えが凄い』
「嬉しいけど照れる、ありがとう」

私に向けられたのはファン大好物のくしゃくしゃな笑顔
堪らなくなって目を背けてしまう

照くんはそれに釣られて同じ目線まで屈んで
顔を覗き込んでくる

「なに、逆に照れてるの？」
『いや、ちょ…恥ずかしいです////』
「なんで顔下げんの？かわいいな」
『やめてくださいよ///』


「コラそこ、ラブラブしない！！」

何故か少し機嫌の悪いふっかが私の手を取り引っ張る

「手なんて繋いでどっちがラブラブだよ笑」
「うるさい！俺の友達がまた取られちゃう」




「ふっかって友達だったら誰とでも手とか繋ぐんだ〜」



「いや、そういうわけじゃ…」


『ご、ごめん』


何に謝ったかも分からず手を離してしまった
すごく楽しかったのに地面に叩きつけられた気分

私はただの友達なのに合鍵渡したり
抱きしめられたりキスをされたり…

ふっかの女友達って皆こんな感じなのかな


3人の間には気まずい雰囲気が流れて
そのまま車へ乗り込んだ

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