リアコだって知ってる。2

dear21 fk ページ21

「俺が教えるなら、レシピ見るだけで料理ができるくらいにはなってもらいたいかなぁ」


不器用に野菜を切る俺に投げられた言葉


「いやぁ…修行の道は長く険しいな」



とほほ…


「でも、このくらいだったら1.2回練習すればできるよ」

「レシピ貰っていい？帰って早速練習してみるわ」




大男が2人でキッチンに並んで
キャッキャ言いながら料理してるとか
めちゃくちゃ面白いなぁ



「この後帰ってすぐ練習するの？」
「そうね、明日遅入りだし」
「って事はAちゃん家？」
「まぁまぁどうしようねぇ」




濁すつもりはないけど、素直に言うのも照れくさい


「どーせAちゃんに作るんでしょ？笑」
「そうなっちゃうんだろうね〜」



「ふっか、、最近隠し事多くない？」
「そう？」
「好きな人に隠し事しても嫌われちゃうよ？」



「隠し事の度合いによって、変わってくるよな」
「許せない隠し事ってある…？」
「浮気…とか？」
「ってか、俺らどんな会話してんだよ笑」


舘さんと深く話す事なんてそうそうなくて
今思えば2人で居る事自体、不思議な感じがする




「じゃあ、また明日」
「うん、ありがとね！」


舘さんの家を後にして
早速近所のスーパーへ買い出しに行く


家に戻り練習をすると1回目で成功した




「えぇ、やれば出来んじゃん俺、うまそ」




"見て！美味そうにできた！(写メ)"

舘さんに写真付きのメッセージを送信。






"見た目だけは完璧…"



嫌味かな？笑





完璧な仕上がりをタッパーに詰めて
ちょっと可愛い紙袋に入れて家を出る



「20時過ぎたし、もう帰ってきてるよねぇ」




浮き足立って足取りが軽い
Aちゃんの最寄駅に着くと
ロータリーに見慣れた車が停めてあった







「あー、そっかそっか そういう日もある」


口に出して言った言葉は自分を冷静に保つため
Aちゃんからハグする事もないから
翔太が勝手にやってんだろ…


家帰ろっと






来た道を戻り帰路に着く
今日の夕飯はタッパーの中のオムライス






「しょっぺ〜、味見すんの忘れた」


渡せなくてよかった
そうだよ、渡せなくてよかったじゃん




Aちゃんが作ったオムライス食べたいな

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