リアコだって知ってる。

dear33 ページ33

仕事終わりで疲れてるし
ツアーだって控えてる
わがまま言って引き止めるわけにはいかない




だってオタクだもん




ふっかよりもインタビュー記事の内容覚えてるし
友達になってから、ふっかよりもふっかが強くない事も知ってる
ふっかがいるべきなのは舞台上


仕事終わりに振り動画見ないとメンバーにもJr.にも追いつかないのくらい知ってる





ドキュメンタリーで散々見たもん



でも



もう少しだけそばにいて欲しい






言葉にはできない感情が頬を伝う









「な〜に、俺ここにいるってば」



お水を持って寝室に現れたふっか


「全く、甘えん坊なんだからね〜トリッピー？」



なんて言いながらベッドの脇に座る





「辛いんだから甘えろよ」




そう言って彼は私を起こして薬を飲ませる


「上手に飲めたね？」




頭を撫でて








抱き締める




『あのね、会社で唯一仲良い子のこと傷付けてたかも』


「うん」


『私、それ聞いて会社飛び出しちゃったの』


「うん」



子供をあやすように優しく頷く
背中を優しくポンポンしながら話を聞いてくれる


『ふっかさん帰ってくるかな？って思って電話したの』

「うん」

『そしたら翔太くんからメッセージ来てね、ふっかは二駅先に住んでるよって…』


「あいつ…」






ほら、気まずかったんだよね

ファンかもしれない女に素性を明かすのは




友達にもなれてなかったのかも


「ごめんね、言ってなくて…」







「心配かけたくなかったからさ？」


どれだけ苦しめられるんだろう

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